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中国関連、資生堂と日本ペイントを分析する 大波乱の中国経済、両社の業績はどうなるか

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かつて中国では、2008年のリーマンショックによる世界同時不況時に、4兆元(当時のレートで約56兆円)という巨額の財政出動をしました。これによって、インフラ整備とともに製鉄所などの生産設備の大規模な建設が行われたわけですが、これが逆に供給過剰を生み続けてしまい、今の経済低迷に拍車をかけているのです。

今回は、財政出動をする場合、どれほどの規模で行われるのかは分かりませんが、もし、ここで中国政府が財政出動を行いますと、中長期的には、さらに、供給過剰を助長することになります。

中国経済に依存している企業は戦略見直しの必要性も

しかも、今は世界的に経済が減速していますから、過剰設備を持てば余計にデフレ傾向が進み、成長しにくくなってしまう恐れもあるのです。

また、中国では、長い間「一人っ子政策」を続けてきた影響で、生産年齢人口がピークを迎えつつあり、それも中長期的な経済の減速要因となります。

以上の点を考えますと、あまりにも中国経済に依存している企業は、この先、戦略の見直しを迫られる可能性があります。中国経済だけでなく、中国に依存している周辺の東南アジア諸国でビジネスを行う企業も、先行きを慎重に見極めなければなりません。

もう一つの大きな懸念材料は、米国の利上げ時期です。当初は9月に行われるとの見方が強まっていましたが、9月の利上げは見送られました。ただし、いずれにしてもイエレンFRB議長は「利上げは年内に行う」と発言していますから、そう遠くない将来に利上げに踏み切ると考えられます。もし、利上げを先延ばしするとなると、それはそれで、問題があるわけです。

いずれにしても、利上げ時期がいよいよ目前に迫ると、新興国から急激に資金が引き上げられます。中国の減速にも拍車がかかる可能性があります。すでに市場ではそれを見越して、アジア関連株や新興国通貨がかなり売られています。中国関連企業の先行きを考える際にも、こういった動きに注意しなければなりません。

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