上原浩治、松坂大輔など日米で活躍した元選手も、ゲスト解説で登場することはあるが、日本球界の何らかの役職を持っているわけではない。そして、ここで名前を出した4人はすべて、アメリカに居を構え、家族もアメリカで生活している。
端的に言えば「雲の上=アメリカ」からときおり「下界=日本」に降りてきているように見える。
日本とアメリカで得られる報酬の差
なぜそうなるのか? 一番大きいのは、手にした「報酬」の大きさだろう。
イチロー、松井秀喜、上原浩治、松坂大輔が日米で手にした報酬の総額。
アメリカの報酬は日米の為替レートが日々刻々と変わるが1ドル120円で計算する(日本の年俸は契約金除く)。日本の報酬は推定、MLBは記録サイトBaseball Referenceによる。
NPBの年俸にはMLBからNPBに復帰後の年俸も含む。
日本(7年) 19.1億円
アメリカ(19年) 1億6718万ドル(200.7億円)
日本(10年) 22.9億円
アメリカ(10年) 8325万ドル(99.9億円)
日本(15年) 25.6億円
アメリカ(8年) 5316.7万ドル(63.8億円)
日本(12年) 24.2億円
アメリカ(9年) 5025万ドル(60.3億円)
この時代、トップクラスのNPB選手は10年内外で20億円前後を稼いでからMLBに移籍した。しかしMLBに行って成功すれば、それよりも少し短い期間で50億円以上の報酬を手にすることができた。
イチローは2007年、シアトル・マリナーズと5年9000万ドル(当時のレートで約99億円)の大型契約を結んだが、そのうち2500万ドル分は、5.5%の利子をつけて引退の翌年から毎年、支払われた。それも含めてイチローの引退後の報酬は年2億円を下らないとされる。これが59歳まで保障される。
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