さらに、MLBには「終身年金制度」がある。10年以上MLBでプレーした選手には62歳から年2000万円程度が支払われる。イチローと松井は満額、松坂、上原もプレーした年数に応じた額が支払われる。
MLBで活躍した日本人選手の多くは、高額の報酬を資産運用に回している。前回記事「プロ野球選手『億単位の年俸』でも貯金たまらぬ訳」でも紹介したようにプライベートバンカーがいるケースも多い。
日本では、報酬を無計画に浪費し、引退後、生活に困窮するプロ野球選手が少なからずいる。MLBでも同様のケースが散見されるが、今では日米ともに主力級の選手には、球団とは別個のエージェントがついている。彼らが契約交渉から資産運用まで相談に乗るので、多くの選手は、引退後、悠々自適の生活が保障されている。
NPBからMLBに移籍して、そこそこ活躍した選手が、引退後に「富裕層」的な境遇を手にすることができるのは、せんじ詰めれば日米の「経済格差」があるからだ。
イチローなどの「平成時代」から状況が変化
昨今、日米の経済格差はさらに広がりつつある。現役の日本人メジャーリーガーが得ている報酬を見るとイチローなど「平成時代」とは状況が変わってきていることがわかる。
日本で得た年俸総額と、MLBで2024年までに得た年俸総額、さらに来年以降受け取ることが確定している年俸総額。こちらは1ドル158円で換算した金額をつける。
日本(8年) 14.2億円
アメリカ
・2012~24年まで 2億500万ドル(323.9億円)
・2025~28年まで 6700万ドル(105.9億円)
日本(5年) 6.2億円
アメリカ
・2018~24年まで 4169.5万ドル(65.9億円)
・2025~33年まで 1800万ドル(28.4億円)
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