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キャリア・教育 #近視は病気です

「近視は遺伝する」というのは勘違いにすぎない 子ども時代の過ごし方を変えれば進行抑制は可能

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  • 井筒 智彦 宇宙博士、東京大学 博士号(理学)
  • 窪田 良 医師、医学博士、窪田製薬ホールディングスCEO
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しかし、これは間違いだとわかりました。度数のぴったり合った「完全矯正」と「弱矯正」のメガネのグループを比較したところ、完全矯正のグループのほうが近視は進まなかったんです。この結果は意外で、眼科医にも驚きが広がりました。

井筒:なるほど。メガネを作るときには度数を少し弱めるのではなく、度数がぴったり合ったメガネのほうがいいと、科学的にも証明されているんですね。

日本では近視の危険度が知られていない

窪田:世界的に見ても、日本の近視有病率はとても高いにもかかわらず、まだまだ近視の危険性が周知されていません。そのことに私は危機感を感じています。

文部科学省のWebサイトには、「1日2時間は屋外で過ごしましょう」「できる限り、近いところを見る作業は短くしましょう」など、近視に関する注意事項が掲載されているのですが、ほとんど知られていません。

井筒:今回、近視は将来的に失明につながる疾患になる可能性が高くなると知り、読んですぐ、子どものためにできることから実践しようと思いました。

窪田:それはうれしい。ありがとうございます。せっかく情報があっても、それが皆さんに知られていないのは本当に残念なので。

外遊び2時間の推奨などは、今の日本の詰め込み教育に真っ向からぶつかる話でもあるので、親御さんが戸惑う気持ちもわかります。勉強もさせたいし、習い事もさせたい。毎日、子どもに外遊びをさせることは現実的ではないという声もあります。

ただ、中国や台湾、シンガポールなどでは、すでに近視への対策を積極的に打ち出していて、国民の理解度が全く違う。アメリカのナショナルアカデミーからも、昨年9月に「近視を病気だとすべき」という提言が出されました。そのくらい危機感を持たなければならない疾患なのです。

井筒:それを聞くと、日本の遅れが気になりますね。

窪田良氏(撮影:梅谷秀司)

窪田:今後、近視の人たちが高齢になったときに、どれだけ失明疾患が増えるのか……。正直、心配です。そのときに手遅れにならないように、近視の危険性と、予防できる疾患だということを伝えていきたいと思っています。

次回は、広島の限界集落に移住し、宇宙をテーマに町おこしをしている井筒さんの「知識を体験につなげる」活動についてお聞きします。

(構成:安藤梢)

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