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キャリア・教育 #近視は病気です

「近視は遺伝する」というのは勘違いにすぎない 子ども時代の過ごし方を変えれば進行抑制は可能

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  • 井筒 智彦 宇宙博士、東京大学 博士号(理学)
  • 窪田 良 医師、医学博士、窪田製薬ホールディングスCEO
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窪田:室内で近くのものを見る「近見作業」を長時間続けていると、目が近くにピントを合わせようと調整しきれなくなるので、近視が進んでしまいます。さらに室内にいる時間が長いと、遠くを見なくなることに加えて、近視の進行を抑える太陽光を浴びないので、より悪化していきます。

目が成長する時期はおよそ生まれてから20歳頃までですので、その時期にどんな環境で過ごしたかが、近視になるかどうかに大きく関わっているのです。

(出所)窪田氏提供

井筒:ずっと近視は遺伝だと思っていたので、視力が悪化しても諦めてしまっていました。だから今回、窪田先生の『近視は病気です』を読んで、「遺伝だけが原因ではない」と知って驚いたんです。

窪田:残念ながら、近視の発症が環境によって強い影響を受けるということは、ほとんど知られていません。近視の抑制には外遊びが有効で、小さければ小さいほど、20歳くらいまでにできるだけ外で活動をすると、近視になるのを防ぐことができます。

近視への取り組みが進んでいる台湾では、学校で1日2時間の屋外活動を義務化したところ、近視の発症率が下がったというデータもあります。

(出所)『近視は病気です』

井筒:私には3歳になる息子がいるのですが、せめて子どもが近視にならないように、今回、正しい知識を知ることができてよかったです。

窪田:環境によって近視が進行するということは、逆に言えば「環境を変えれば近視にはならない」ということ。例えば、マサイ族やアボリジニ、イヌイットなど、原始に近い暮らしをしている人たちは極端に近視が少ない。

幸い、近視は子どものうちであれば対処可能な疾患なので、いかに正しい知識を知り、早く対処を始めるかが重要だと思います。

近視は失明につながる危険な疾患

窪田:実は、最初に「近見作業は近視を悪化させる」という仮説を提唱したのは、天文学者のヨハネス・ケプラーなんです。宇宙の研究をしていたケプラーが、近視についても考察していたのは、なんだか面白いですよね。

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【「目の奥行きの長さ」が伸びていく怖さ】

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