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このままでは「日本は失われた40年」へ突入する 「2050年の日本経済」へ向けて、総括が必要だ

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  • 小幡 績 慶応義塾大学大学院教授
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そして、2024年も何も変わらなかった。

最先端半導体の開発・製造を目指すラピダスに関与することによって1980年代の栄光を取り戻そうとしている。また、バブル的ないい車は生み出したことはあるが、いい技術者・優秀な文系人間を抱えながら、組織としては、何も株主にもたらさず、自己満足の組織だった日産自動車は、1990年代に実質的に破綻したにもかかわらず、黒船的なコストカットだけで、何かチェンジしたふりをし(自分たちもそんな気になり)、黒船が去った後、1980年代のもとに戻そうとして、結局何もしてこなかったことが現状を招いている。

何と言っても、せっかくオランダに本拠を置くステランティスグループに加われるチャンス(当時イタリアのフィアットグループがルノーを買収することにより)があったのに、自ら潰し、フランスのルノーとの資本関係を解消し、1980年代のように好き勝手に自分の思い通りにやれる日産を夢見たところが、致命的に間違っていた。

経済学者が新しい日本の経済モデルを提示すべきとき

これから20年後には、20世紀に先進国だった地域の自動車メーカーは日本のトヨタグループだけになろうとしている現在、欧州は、ステランティスのように、超高級ブランドのポートフォリオを組んで、スイスの時計ブランドやフランスのLVMHのような生き残りを図る以外は、量産メーカーはすべて消えようとしている、という現状を直視する気がまったくないのである。

これは日産に限ったことではなく、ほとんどの日本の大企業がそうだ。ホンダも、他社を救ったり利用したりしている余裕はなく、トヨタに助けてもらう以外に道はないほど追い込まれているのに、その状況にも目をつぶっている。トヨタと中国・韓国メーカー以外はテスラが残るかどうかという現状を、ほとんど誰も見ようとしていないのが問題なのだ。

もちろん、こうではない日本企業も数多くある。それらの企業は、政府や経済学者やメディアの1980年代への郷愁にまみれた世界とは距離を置き、かかわらないようにして、日本から精神的に脱出を図っている。

しかし、政府と経済学者はそれではダメなのだ。2025年は、まず経済学者が新しい日本の経済モデルを提示し、それを政治に対して説得することから始めなければならない(本編はここで終了です。次ページは競馬好きの筆者が週末のレースなどを予想するコーナーです。あらかじめご了承ください)。

次ページが続きます

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