50年以上実現せず「奥羽新幹線・羽越新幹線」の今 「本当に必要としているのは山形県だけ」のワケ
奥羽新幹線は米沢、赤湯、山形、さくらんぼ東根、新庄、湯沢、横手、大曲に駅が設置され、秋田で羽越新幹線に合流する。
羽越新幹線の起点は北陸新幹線の上越妙高駅であり、長岡駅で上越新幹線に合流する。長岡駅から新潟駅までは上越新幹線と路線を共有し、新潟駅からは鶴岡、酒田、秋田を経由し、青森へと至る。
上越妙高駅から長岡駅の区間については、新潟県が信越本線高速化事業として、別に検討を進めている。
これらの新幹線の開業による時間短縮効果は、山形県や秋田県などが独自に試算しており、主な区間については、下の表の通りである。
区間によって試算方法が異なるため、東京〜新庄と東京〜秋田の新幹線利用の所要時間が同じになるなど、数値に整合性がない点は了承願いたい。
また、東京〜秋田の現行の所要時間は山形新幹線と奥羽本線の在来線列車利用によるもので、秋田新幹線利用の時間ではない。秋田新幹線を利用すれば、東京駅から秋田駅まで最速列車で3時間37分である。これを基準にすれば、短縮効果は1時間7分とかなり違った結果となる。
新幹線建設効果は所要時間短縮が最も大きなものだが、近年増加する激甚災害に対する線路施設の強靭化と運行の安定、踏切のないフル規格新幹線による安全確保もメリットとして挙げられる。
それでもこれらの新幹線計画は現在に至っても具体化していないのは、それ以上に障害も多いためだ。
本当に必要としているのは山形県だけ?
奥羽新幹線、羽越新幹線のルート上にある各県の対応を見ると、その建設への熱意にはかなりの温度差がある。
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