勉強ができることに価値を見いだすのではなく、自分がやりたいことを大事にする、そうした姿勢は受験に向かう自身のプレッシャーも軽減してくれたようです。
秋の模試では東京大学の理科3類でもA判定をとれたものの、自分の学校に愛着があったことと、一か八かの賭けが怖かったために志望大学と学部を変える決断はしませんでした。
共通テスト前に受験した防衛医科大学校に合格し、医学部への道を確定させたゆゆきちさんは、共通テストでも前年を上回る804/900点を記録し、無事東京医科歯科大学の医学部医学科に合格することができました。
「受験で失敗した経験があったので、最後まで安心はできませんでしたが、去年のように過剰に緊張することはありませんでした。仮面浪人のときに、周囲の大学の友達と話して、勉強だけではない、さまざまな経験をしている子たちがいることがわかったので、長い人生の中で、受験の失敗はそんなに大きくないと思えたことがよかったのだと思います」
浪人は通過点に過ぎない
現在、東京科学大学医学部医学科2年生のゆゆきちさんは、医師を目指して勉強に励んでいます。彼女に浪人して良かったことを聞くと、「自分のやりたいことを立ち止まって考え直せたこと」、頑張れた理由については、「周囲に支えられていることを実感できたから」と答えてくれました。
「現役のときの受験は勉強することに精一杯で、ちゃんと自分の将来を考える時間がありませんでした。だからこそ、浪人の期間でいろんな人に会って話を聞けたことで、受験でダメでも人生が終わるわけではないと思えたのがよかったですね。
もし受験がうまくいかなくても、歯学部に残って勉強を頑張れたと思います。失敗した経験があるからこそ、失敗を過剰に恐れなくなったのがよかったですね」
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