動けない部下や子どもが自走するための接し方 知らぬ間にチャレンジ精神を奪ってしまっている

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さらに、「行動目標」のハードルを徐々に上げていくことで、最終的には「結果目標」も達成できるようになります。

後戻りが挑戦のハードルを下げる

相手に自信をつけてもらうためには、「成功体験」を積み重ねてもらうことが重要です。

感情的にならず相手を「すぐやる人」にする34のコツ
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ここまで読んで、部下や子どもに対して「新しいことに挑戦してもらわなくては」と考えた方もいらっしゃることでしょう。とはいえ、自信がない相手が新たなことに挑戦するのは、なかなかハードルが高いものです。

それを解決するために、「できているところ」から指摘しましょうと前述しました。しかし、自信のない相手に対して、いくら「できているところ」を指摘しても、「自分なんてたいしたことない」「自分には能力も実力もない」と自身を過小評価、謙遜したりしている場合、効果が出ないことがあります。

そんなときに、力を発揮するのが、「できるところまで戻る」ことです。

たとえば、苦手な算数の宿題を1人でできない子なら、「今日は、1人で算数の宿題をやってみよう」と挑戦を促すかわりに、「1人でもできる国語の音読からやってみよう」「宿題の前に、1人でもできる足し算・引き算の問題を解いてみよう」などと、できるところまでさかのぼる。

企画書を書くのが苦手なスタッフがいたら、いきなり「1人で企画書を書いてごらん」ではなく、まず、1人でも埋められる項目だけ書いてもらい、行き詰まったら一緒にやる。要するに疑似的な成功体験を積んでもらうのです。

この方法なら、確実に「自分にもできることがある」「1人でできた」という実感を得ることができます。この「できた!」という実感が、未知を嫌う脳の防衛本能を解き、新しいことにチャレンジするハードルを下げます。結果的にこれまで難しかったことでも1人でできるようになるのです。

人は後戻りすることに抵抗感を覚えるため、1人だとなかなか「できるところまで戻る」という判断ができません。その背中を押してあげるのがあなたの役割です。

大平 信孝 メンタルコーチ

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おおひら のぶたか

株式会社アンカリング・イノベーション代表取締役。メンタルコーチ。中央大学卒業。長野県出身。会社員時代、自身が部下育成に悩んだ経験から、脳科学とアドラー心理学を組み合わせた、独自の目標実現法「行動イノベーション」を開発。部下育成のためのメソッド「行動イノベーション・トーク」を広めるべく、「行動イノベーションアカデミー」を運営。これまでサポートしてきた企業は、IT、通信教育、商社、医療、美容、小売りなど40以上の業種にわたる。主な著書に、『本気で変わりたい人の行動イノベーション』(秀和システム)、『先延ばしは1冊のノートでなくなる』(大和書房)、『指示待ち部下が自ら考え動き出す!』(かんき出版)など。

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