動けない部下や子どもが自走するための接し方 知らぬ間にチャレンジ精神を奪ってしまっている
では、どのように対応すればいいのでしょうか。こんなときは、「想定外のことが起きると、動揺して話を止めてしまう人が多いけれど、練習通り平然と進行していて素晴らしかった」などと、まずは「できていること」を指摘します。
すると、部下は「プレゼン中にミスをしてしまったけれど、ミスに負けずに最後までプレゼンできてよかった。次回はよりよいプレゼンができるよう工夫しよう」と前向きな気持ちになるはずです。この「前向きな気持ち」が、次の行動や積極性につながるのです。
ここまで読んで、「できていることを指摘するだけだとミスについて注意できず、上長としての役割を放棄しているようなものなのでは?」と疑問に思った方もいることでしょう。
「ミスを指摘しないでください」と言っているわけではありません。指摘する「順番」を意識してくださいということです。つまり、「できていること」を指摘したあとに、「できていないこと」、つまり課題について指摘すればいいわけです。
こうすることで、部下は上司の指摘をすんなり受け入れ、「次からは、同じミスをしないように工夫しよう」と、失敗しないための対策を自ら考え始めます。
ミスをした部下にしても、テストの点数が低かった子どもにしても、自分の「できていないこと」に関しては、人から言われなくても痛いほどよくわかっています。むしろ、「悔しい、情けない」、あるいは「こんなことなら挑戦しなければよかった」と後悔していることもあります。
誰でも、失敗にとらわれてしまうと、「できていること」が見えなくなってしまいます。否定からは否定しか生まれません。そういうときこそ、上司、先輩、親の出番です。
相手が、10点満点中、3点しかとれていなかったとしても、いきなり「足りない7点」について責めるのではなく、まずは、「できている3点」に目を向け、認めることからスタートしてください。これが、相手の行動力を上げることにつながるのです。
「結果目標」を「行動目標」に変える
自信がないからなかなか行動できない……。とくに経験が浅い段階だと、誰でもこういう傾向があります。しかし、行動しない限り「成功体験」を得ることはできません。こんな状態が続くと、永遠に自信がつかないわけです。
実は、これを打破するためのいい方法があります。それは、「結果目標」を「行動目標」に変えることです。
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