これまでの「ツアー競技」というのは、トーナメントウイークの月曜日からプロの練習日があって、大会前日のスポンサーのプロアマ戦や前夜祭があって、4日間の大会があって、日曜日に優勝者が決まって……、というのが定型として続いてきた。
プロアマ戦を10日間やりたいのであれば、ツアー競技の中に組み込まなくてもできる。それをあえてツアーの中に組み込んだのは、何よりJGTOの人気浮揚策になりえるかもしれないからだ。
先述の通り、男子ツアーの試合数はバブル期の3分の2ほどに縮小。日本ゴルフトーナメント振興協会(GTPA)のデータによると、2024年の1試合当たりの平均入場者は男子が1万1820人、女子は1万1243人。男子はすべて4日間大会で、女子は37試合中半数強の19試合が3日間大会なのでギャラリー人気は女子に軍配が上がるが、それほど差があるわけではない。
しかし、メディア、SNSなどでの露出度は女子のほうが高い。注目度の点から、男子は印象が薄いというイメージになっており、「試合の賞金は女子より高いのに注目されない」と思われてしまうと、スポンサーもつきにくい。これをどう払拭するかが、このところの男子ツアーの課題でもあった。
今回の初の試みについて、倉本副会長は「やってみないとわからない。やってみてダメだったらやめればいい。とにかく、今は突破口がない」と男子ツアーの現状への危機感がある。
他の主催者からも「(人気を上げるには)どうしたらいいですか」と聞かれるといい「ゴルフの常識ではないところでやってみるのもいいかもしれない」と、ゴルフ界とは無縁のところで成功した人のアイデアに期待もある。
「ラウンドガール」の帯同も話題に
プロアマ参加権とは別に、プロアマ戦、本戦とも「ラウンドガール」が全組について、スコアボードを持って華を添える。この試みもツアーでは初めて。
前澤氏はカーレースチームを持ち、自身もレースに参加している。カーレース場を彩るレースクイーンのイメージからのアイデアだろうか。「4月なのでさすがに水着という訳ではないと思う」と笑った倉本副会長は「選手に気にならないか聞いたら、気にならないっていうんで」とまた笑った。さて、どうなるだろうか。
オークションの方法なども含めてプロアマ参加権についての詳細情報の告知や、本戦の入場券の販売開始は、来年2月中旬に予定されている。
いずれにしろ、これまではトーナメントの主催者のクライアントなどでなければツアーのプロアマ戦に出られることはなかったのが、100万円かかるとはいえ広く一般ゴルファーにも開かれることになる。今後、他のトーナメントにも影響があるのか、男子ゴルフの活性化につながるのかなど、注視すべき試みになりそうだ。
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