発案は前澤氏だという。同氏側と選手側の間に立って調整したJGTOの倉本昌弘副会長は「前澤さんの発想がすごい」と言い、「“プロアマ”は売れるんだよね」という問いかけから始まったという。
ツアーで通常行われるトーナメント本戦前日のプロアマ戦については、これまでもこのコラムで紹介してきたが、多くは大会を主催するスポンサーが自社のクライアントらを招く接待の場として使われている。
プロはスポンサーの意向をくんで、一緒に回るアマにレッスンや会話などで喜ばせるのが、スポンサーへのホスピタリティーになってきた。つまり、プロアマ参加権はスポンサー企業が一括して買い取ってきた、ということだ。プロアマ参加権の買い取り費用がトーナメント開催費用ということになり、多くは企業の広告宣伝費の形になっていた。
これに対して、前澤氏は「買い取った」プロアマ参加権を自社で売りに出すという発想。過去にプロアマ戦の枠を有料で売ったトーナメントはあったが、プロアマ戦が1日しかなかったこともあって限定的だった。今回は10日間もプロアマ戦を行って、その参加権の売り上げで本戦の賞金総額を賄う。これは今までになかったスタイルとなる。
プロアマ参加権が完売したとして、売り上げは単純計算で1日5000万円×10日間で5億円。ここから経費などを引いて最大が4億円という計算だろうか。最大額としているのは、プロアマ参加権の販売状況次第では大会前までに変動する可能性があるからだ。
プロアマ戦なので1組に1人、プロゴルファーが一緒に回る。1組の人数はプロ1人にアマ最大3人だが、カップルでもいいし、1人でプロとのラウンドを独占しても構わないという。大会参加プロは99人の予定で、その中から1日50人のプロが参加することになる。
一緒に回るプロを「オークション」で指名
ただ、100万円を出すのだから「希望のプロと回りたい」のが本音だろう。そのような人の場合、一緒に回るプロを「オークション入札方式」で指名できる。「○○プロと回りたい」という人が多い組は、100万円から金額が競り上がっていくことになる。
通常、99人のプロが均等に参加すれば10日間で1人5回程度になるが、オークション方式を採用すれば人気プロは「10日間出ずっぱり」もありうる。そうなれば、本業の本戦4日間を含め14日間ぶっ通しでゴルフをすることになる。
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