みんな大好き「数列の難問」で頭が良くなるワケ 「並んだ数の法則性を見いだす」クイズに挑戦!

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関連性とルールを考えるというのは、いろんな場面で使えるものです。

「数列の考え方」はさまざまなところで応用可能!

みなさんはスポーツの観戦などのときに「ウェーブ」をすることがありますね。人がタイミングよく上下に動くことで、外から見ると波打っているように見える、というものです。

あれ、すごいですよね。1000人以上の人たちが、意思を統一して1つの行動をしているわけです。どうしてあんなことが可能なのでしょうか?

例えば、ウェーブの時間を計算して、全員がどのタイミングで手を挙げればいいかを明確にして、「音が鳴ってから12.05秒後のタイミングで両手を挙げてください」と全員に話すというのも、1つの手段でしょう。そうすれば確かに、「ウェーブ」が完成します。

でも、それって大変ですよね。1000人以上の人にコミュニケーションを取らなければなりません。

そんなことをしなくても、ウェーブは簡単に成立します。全員に同じことを言えば成立します。

「隣の人が手を挙げたら、あなたも手を挙げてください」と言えばいいのです。そして最初の人に手を挙げてもらいさえすれば、あとは隣の人が順番に手を挙げていくことになって、結果的にウェーブが完成するんです。

この方法なら、1000人だろうが1万人だろうが、何人になってもうまくいくでしょう。

つまり、ルール・法則性さえあれば、どんなに数が大きくても、続けていくことが可能になるということです。先ほどの数列のように、数字を並べる規則性が明確なら、数の連なりは無限につながっていくということなのです。

例えば、「すべての1以上の自然数において、次のことが成立すると証明しなさい」という問題が数学ではよく出題されます。「え!『すべての1以上の自然数』なんて無理だよ! 全部いちいち証明しなきゃならないの?」と思うかもしれませんが、おっしゃるとおり、そんなことは当たり前に不可能です。だって無限個ありますからね。

しかし、先ほどの考え方を使えば可能なのです。「隣の人が手を挙げたら、あなたも手を挙げてください」方式を使えばいいのです。

まず、最初の1個が当てはまることを確認します。「1で当てはまる」ことを確認するわけです。

で、次は「前の数が当てはまるなら、次の数も当てはまる」ことを証明すればいいのです。
そうすれば、「2は1が当てはまっているからOK」「3は2が当てはまっているからOK」と、無限に繰り返すことができるので、99999だろうが100億だろうが、どんな数でも当てはまることが証明できるわけです。

このように数学で使える証明方法ですが、それを社会に応用して「ウェーブ」させたりすることができるわけなんですよね。

数列は、このような数学における基本的な考え方を示してくれているものでもあります。みなさんもぜひ、数列に慣れ親しんでみていただければと思います!

西岡 壱誠 現役東大生・ドラゴン桜2編集担当

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にしおか いっせい / Issei Nishioka

1996年生まれ。偏差値35から東大を目指すも、現役・一浪と、2年連続で不合格。崖っぷちの状況で開発した「独学術」で偏差値70、東大模試で全国4位になり、東大合格を果たす。

そのノウハウを全国の学生や学校の教師たちに伝えるため、2020年に株式会社カルペ・ディエムを設立。全国の高校で高校生に思考法・勉強法を教えているほか、教師には指導法のコンサルティングを行っている。また、YouTubeチャンネル「スマホ学園」を運営、約1万人の登録者に勉強の楽しさを伝えている。

著書『東大読書』『東大作文』『東大思考』『東大独学』(いずれも東洋経済新報社)はシリーズ累計40万部のベストセラーになった。

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