「不幸嘆いた」40代無職独身が4児の父になるまで 「45歳で交際0日婚」「54歳で第4子」激動の10年

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4人の子をもうけることは、計画してのことだったのだろうか。第4子が成人する頃、後藤さんは74歳だ。

「いやいや、4人なんて全然想定していませんでした。ひとりかふたりは欲しいよね、とは話していましたけど」

後藤さんの妻は後藤さんが経営する塾で講師として働く傍ら、妊活中から始めたベリーダンスの趣味が高じて、ベリーダンサー・ダンス講師としても活動している。

「1〜2人目が乳幼児で大変だった時期は、私が授業中にひとりを抱っこして、もうひとりをおぶって授業をしたこともありました。

生徒にも保護者にも申し訳なかったけど、ほとんどの方が状況を理解してくれた。

『そういう姿を見せることは、子どもたちの教育にもすごく良いと思う』とまで言ってくださる保護者の方もいました。

家の近くで学習塾を開いているため、生徒や保護者の大半は『ご近所さん』。家族ぐるみの付き合いをしている保護者は『先生、困ったときは子どもたちを預けても大丈夫よ!』と声をかけてくれるし、塾のスタッフたちの協力も大きいです」

後藤さんのお子さんたちにとって、塾の存在は「半分家みたいなもの」。そして現在は、生徒としても学んでいる。

後藤さん夫妻が3人目、4人目と子どもをもうけた背景には、周囲の温かい環境に恵まれたことが大きい。また、職場と家は距離も近く、大きな組織では難しい状況でも自営業なら時間の融通もききやすい。

4人のお子さんと後藤さん(写真:後藤さん提供)

30代なら無理だった

「逆に30〜40代だったら無理でした。朝から晩まで会社員としてバリバリ働いていたし、なかなか子どもを作れていなかったかもしれない。子どももひとりかふたりで精一杯だろうし、仕事との両立は難しかったと思います。私にとっては今がベストタイミングです」

とはいえ、4歳から10歳までの4人の子どもを育てるのは、何歳であっても大変であることには違いない。

後編『48歳で第1子、今や「4児の父」になった男性の日常』では、塾講師業と4人の子どもの幼稚園や習い事への送り迎え、家事をどう夫婦で分担しているのか、分刻みのスケジュールなどを紹介する。

宇乃 さや香 フリーライター

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Sayaka Uno

1982年北陸生まれ。大学卒業後、分譲マンション管理会社、フリーペーパー出版社、認知症対応型グループホームでの勤務を経験。妊娠・出産を経てフリーライターとして独立。生き方や価値観のアップデート、軽やかに生きるヒントを模索し、取材を続ける。

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