
予想外の妊娠に「びびった」
「結婚当初、妻とは『お互い歳だから、子どもは考えないで楽しくやっていこうね』なんて話して、いわゆるDINKs(「Double Income No Kids」の略。夫婦ともに働き、子どもを持たない選択をしたカップルを指す言葉)でいよう、と思っていたんです」
しかし、思いがけず妊娠が発覚。全く予想していなかった事態に思わず「びびっちゃったんですよね」。親の年齢が高齢になるほど、遺伝的な疾患を持った子どもが生まれる確率は高くなる。その覚悟を持って子どもを迎える自信がなく、剱持さんは悩んだ。実際に羊水検査(妊娠中の胎児に染色体異常などの遺伝的な疾患がないか調べるための検査)も受けた。
「でも、あの検査はお腹に針を刺すから母子ともにリスクを伴うんですよね。当時僕はそれをあまり認識していなくて、自分の心配ばかりしていました」と申し訳なさそうに呟いた。
羊水検査の結果は、陰性だった。2013年、剱持さんが49歳の時に長男が誕生。無事に生まれた時は「本当に嬉しかった」。
「子どもは諦めていたけど、40代で漠然と『家庭を持ちたい』と思い始めた時から、心の奥底では『ひとりでいいから自分の子どもに会いたい』って思っていたんです。それが一番の望みだったことを思い出しました」
無料会員登録はこちら
ログインはこちら