愛犬の「適切なふるまい」に必要な"しつけの法則" "お座り"より先に教えたほうがいいこととは?

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飼い主さんから見て、問題行動と思えるものの多くは、“犬の行動欲求を満たせていないこと“から生じています。日頃から愛犬の行動欲求を満たしていないようでは、しつけを通した学習をすることはできません。

一緒に遊んだり、小型犬でもしっかりお散歩をさせたり、身を隠せるような寝床を用意したりするなど、犬の特性を理解したうえで安心して過ごせる飼育環境を整えてほしいです。

人と犬の間に上下関係が必要だと考えられていた頃は、人にとって望ましい行動を無理やりさせたり、望ましくない行動には体罰を与えてやめさせたりといった方法でトレーニングがなされていました。

しかし、最近の研究では、ほめてご褒美を与えるトレーニングのほうが効率的であることがわかってきています。

してほしくない行動ではなく、何をしてくれたらうれしいかを考え、望ましい行動をとったときはほめてあげる。例えば、お散歩で犬がリードを引っ張ることを叱るのではなく、飼い主に歩調を合わせてくれたときにほめてあげる、といった具合です。

「動物愛護」と「動物福祉」は違う

動物の幸せを考えるうえで押さえておきたいのが、「動物愛護」と「動物福祉」といった考え方です。

「動物愛護」の主体は人間で、かわいい、かわいそうなどの感情からくる主観的なもの。一方の「動物福祉」は動物が主体で、幸せな状態を維持するために科学的、客観的に評価することが重要という考え方になります。

犬のしつけについて話す鹿野さん(写真:筆者撮影)

日本では「動物愛護」の考え方が根付いていますが、世界的には「動物福祉」の考え方を取り入れることが求められています。

犬は飼い主の気持ちに共感する高い能力を持ち、ポジティブな感情だけでなく、ネガティブな感情にも共感することがわかっています。

2019年に行われたスウェーデンの研究では、ストレスホルモンであるコルチゾールを用いて調べたところ、飼い主のストレスが長期的に犬に伝染することがわかりました。

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