愛犬の「適切なふるまい」に必要な"しつけの法則" "お座り"より先に教えたほうがいいこととは?
子犬のうちに社会化ができず成犬になった場合、新規の刺激に対して不安や恐怖を持つようになります。こうなると、一度身についてしまった苦手意識を克服したうえで、新しい刺激に慣れさせることになるので、社会化の難易度はグンと跳ね上がります。
もちろん、そのようなときも飼い主さんは愛犬に理想や期待を押し付けてはいけません。さまざまな経験が必要な時期に経験させなかったという、自身の育て方の問題を理解したうえで、対応していくことが必要です。
最近では保護犬を引き取った飼い主が、しつけに悩むケースが少なくありません。この場合も、過度な理想や期待を押し付けないことが大切です。野犬や野良犬から保護犬になった場合は特にそうですね。
彼らは野生で生活をしていたため、どうしても人に懐くことに対してハードルが高くなってしまう。その結果、しつけがうまくいかないからと、人間の都合で、譲渡された保護犬を再度手放すようなケースもあります。
このようなことのないよう、どのような背景、特性があるのかを知り、受け入れられるかを判断したうえで引き取るべきでしょう。
ワクチン接種前に外に出てもいい
私が運営するしつけ教室では、将来行くであろうトリミングサロンや動物病院、ショッピングモールなどさまざまな場所に連れていきます。電車に乗る必要があればキャリーケースに入れて乗せることもあります。
そうして社会化期のうちから少しずつ慣らしていくのです。トリミングサロンに行くのは月に1回ほど、動物病院となると年に1回くらいです。
近頃は、子犬を対象としたパピーグルーミングを実施しているサロンも増えてきています。飼い主さんが主体的に動き、社会化期のうちから慣らしておくことが大事なのです。
「混合ワクチン接種が終わるまでは、子犬は家の外に出してはいけない」など、ちまたで広まっている飼い方についてもお話しします。
まず、地面を歩かせたり、ほかの犬と接触させたりしない限り、病気がうつる心配はありません。むしろその間、家だけで過ごさせることのほうが問題です。
先に申し上げましたが、犬の社会期は12週齢までなので、ワクチン接種が終わってからだと、とっくに社会化期は過ぎています。そこから初めて家の外に出すようでは外の環境に適応しづらくなってしまうのです。
ワクチン接種が終わる前から、カートやキャリーケースを利用して、少しずつ外の環境に慣らしていくようにしてください。
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