ゴルフ場ドタキャン対策「キャンセル料」導入の波 "お天気商売"で「触らぬ神に祟りなし」だったが…

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ちなみに、地方の中堅ゴルフ場では、2組以下の場合、プレー日当日を含む7日前から土日祝日は1組当たり8000円、3組以上はプレー日当日を含む7日前から平日1組当たり4000円、14日前から土日祝日1組当たり8000円などとなっている。無連絡の場合は予約時料金の100%がキャンセル料となる。

キャンセル料の請求は、ホテルなどにも導入が進んでいる他社のシステムを利用しているという。「シンプルに、名前と携帯番号のみ入力すればいい」と利用者側の手間は省きながらも、確認のショートメールでキャンセルポリシーも改めて提示している。

「ゴルフ場のクローズ以外は原則請求する」というキャンセル料は、プレーヤーにとっては少しプレッシャーになっているようだ。徴収を開始した10月の土日8日間を前年と比較してみると、1コース当たりビジターが平均40人増えたそうで「キャンセルを踏みとどまったのかと思われます」という。

キャンセル料請求は当たり前になるか

PGMの取り組みは、ゴルフ場業界にも影響を与え「各地のゴルフ場から『説明を聞きたい』という問い合わせが来ています」と、これまで手を付けられずにいたキャンセル料徴収に踏み出すきっかけになっている。県単位のゴルフ場支配人会では検討を始めている県もでてきており、ゴルフ場個別ではなく、まとまってキャンセル料請求の運用に舵を切っていく考えのようだ。

予約をキャンセルするのは、理由によっては仕方のないところもある。ただ、予約は相手との約束事なので、原則は守るべきもの。特にドタキャンで枠が空いてしまえば、プレーをしたい人の機会を奪うことにもなる。

「キャンセル料を取られるならもうゴルフはしない」という人は多分いないだろうと思う。確かに、これまでのような「気軽に予約」はできなくなるかもしれない。だが、後ろめたい気持ちでキャンセルするより、キャンセル料を請求されたほうが「すっきりする」という人もいるのではないだろうか。

2024年12月19日にPGMの親会社の株式会社平和が、国内最大の173コースを運営する「アコーディア・ゴルフ」の親会社を買収し、子会社化することについて説明会を行った。今後はアコーディア・ゴルフの運営コースにもPGM同様のキャンセルポリシーを適用していくことになるかもしれない。

今後、こうした動きが多くのゴルフ場に広がっていく可能性は高い。ただ、これが一般的に見れば「普通のこと」なのではないだろうか。

赤坂 厚 スポーツライター

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あかさか あつし / Atsushi Akasaka

1982年日刊スポーツ新聞社に入社し、同年からゴルフを担当。AON全盛期、岡本綾子のアメリカ女子ツアーなどを取材。カルガリー冬季五輪、プロ野球巨人、バルセロナ五輪、大相撲などを担当後、社会部でオウム事件などを取材。文化社会部、スポーツ部、東北支社でデスク、2012年に同新聞社を退社。著書に『ゴルフが消える日 至高のスポーツは「贅沢」「接待」から脱却できるか』(中央公論新社)。

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