軍師「黒田官兵衛」も読めなかった"我が子の行動" 頭が良すぎるために秀吉すら警戒した軍師
官兵衛が捕まっていることを知らない信長は、「説得しに行くとか言っといて、村重の方についたんだな」と考え、秀吉に「人質として捕らえていた黒田の息子の長政(松寿丸)を殺しちまえ」と命令するんです。そのとき、「わかりました。私がやりましょう」と言って手を挙げたのが、竹中半兵衛でした。
そして、竹中半兵衛は秀吉・信長のもとに「お待たせしました。これが黒田官兵衛の息子の首です」と持ってきたのですが、実はこれ、どこかの子どもの死体から取ってきた偽物の首。「官兵衛が裏切るわけがない」と信じた竹中半兵衛は、長政を匿って別の首を差し出したという、エピソードが残っています。
1年後に荒木村重が戦で敗れて、官兵衛は救出されたのですが、信長や秀吉は「官兵衛は裏切ってなかったんだ。それなのに息子を殺してしまった」と号泣。後に、実は竹中半兵衛が匿ってくれていたことがわかり、竹中半兵衛に感謝したという逸話があります。残念ながら、そのときすでに竹中半兵衛は病気で死んでいましたが、官兵衛が大河ドラマになるような大活躍をしたのも、竹中半兵衛との友情や絆があったからこそだったんですね。
頭が良すぎて、秀吉から避けられる
秀吉の配下として活躍していた時代。秀吉を作戦の面で支え続けた官兵衛は、ただ戦って相手を倒すという仕方ではなく、兵糧攻めや水攻めといった、頭を使った戦いを繰り広げて秀吉を支えていました。そんな官兵衛に、「こいつ本当にいいわ」と秀吉はドハマり。
「官兵衛さえいてくれたら大丈夫だもんね」と、何か困ったことがあるたび、「ちょっと官兵衛に相談しようか」なんて言って頼る。それくらい信頼されていた官兵衛でした。
そんなとき、歴史を動かす大事件、本能寺の変が起こります。主である信長が討たれて「俺はこの先どうやって生きていこうか」と秀吉が本当にへこんでいるとき、官兵衛が声をかけるんです。「ついに天下を取るチャンスが巡ってきましたね」。
この言葉で「大ピンチをそんなふうに捉えるのか。すげえな」と感心した秀吉は、そのまま明智光秀を討って天下を取りました。