軍師「黒田官兵衛」も読めなかった"我が子の行動" 頭が良すぎるために秀吉すら警戒した軍師

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関ヶ原の戦いの功績で、息子・黒田長政は大出世。黒田家もとても大きな家になるのですが、官兵衛は死期が近くなってくると、側近たちに嫌みばかり言うようになるんです。「なんでこんなこともできねえんだ、お前は。俺が頭良すぎるのか。お前らが馬鹿なのか」とか。

死の間際でも頭を働かせる

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あまりにも側近たちからの評判が悪くて、「お父さんちょっと言いすぎじゃない?」と言う長政に、官兵衛は話します。

「戦国の世は、主が死ぬと家臣たちが殉死といって、後を追って自害することが多い。今まで支えてくれた家臣たちが、俺と一緒に死んでしまったら、黒田家が駄目になる。だから俺がみんなに嫌われれば、家臣たちは次の代であるお前についてくれるんだ。お前に心が向くように、今、俺は悪者を演じている、これが俺の最後の作戦なんだ」ということを息子に話すのです。

死の間際になっても頭を働かせて、一歩先二歩先、一手先二手先をしっかり見る。戦だけではなく、自分の家、息子のこれからにまで頭を巡らせる。天才軍略家・軍師として活躍して、最後は息子のために家臣たちをも騙す。そんな壮大な作戦を立てた。それこそが天才軍師・黒田官兵衛のすごいところではないでしょうか。

おかげさまポイント
秀吉に恐れられるくらい優秀だった黒田官兵衛さん。自分の成功を優先せずに行動したことで、最後は運も味方したといえるのかも!?
しろっぷ じゅんぺい お笑い芸人

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北海道を中心に活動するお笑いコンビ「しろっぷ」のじゅんぺい。本名・亀田純平。高校時代に司馬遼太郎の「燃えよ剣」を読んだことをきっかけに日本史に興味を持ち始め、現在はお笑いの活動やラジオパーソナリティをしながら、全国各地の城を巡るなど独学で日本史について学び、歴史トークイベントなどを開催している。2022年11月からポッドキャストラジオ番組「あんまり役に立たない日本史」を立ち上げ、多分テストにも出ない、知っていても誰も得しない、そんな日本史のお話を毎週金曜の昼12時に配信中。2024年3月には「第5回JAPAN PODCAST AWARDS」で優秀賞を受賞。

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須藤 公博 駿台予備学校日本史科講師

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すどう きみひろ / Kimihiro Sudo

駿台予備学校日本史科講師。慶應義塾大学大学院(経済学研究科)博士課程単位取得退学。お茶の水・池袋・横浜の東大・早慶クラスを中心に出講。趣味は仏像鑑賞とプロ野球の応援。著書に『愛と欲望の日本史』(1999年 祥伝社黄金文庫)、『まるわかり日本史』(2000年 永岡書店)、『夜つくられた日本の歴史』(2001年 祥伝社黄金文庫)、『ちゃーと&わーど』(2002年 駿台文庫 共著)、『家系図から読みとる日本史』(2003年 駿台曜曜社)、『日本史頻出わーど問題集』(2005年 駿台文庫 共著)、『日本史の意外なウラ事情』(2007年 PHP文庫) 、『名門大学入試問題で知る「反」日本史』(2013年 講談社) 、『THE早稲田 日本史問題集』(2019年 駿台文庫)など。座右の銘が「Remember 2016.10.29」という噂も。

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