「自分でやった方が早い病」かかる人の"根本原因" リーダーがこう考えると組織はダメになる
ところが多くのビジネスパーソンは、自分の役職が上がるごとにルールが変わることに気づいていません。
だから、マネージャーになっても、部下に仕事をやらせるのではなく、それまでと同じように自分で実務仕事をしてしまいがちです。
そうすると急に周りから評価されなくなるので、「自分はこんなに一生懸命やっているのに、会社は認めてくれない!」と落ちこむことになるのです。
職位や役割を説明する「カッツ理論」
そうした「職位の変化による役割の変化」を説明した理論として、ロバート・カッツ(Robert Katz)が提唱した「カッツ理論」があります。
その理論を元にした「カッツモデル」では、組織を縦に3つのレベルに分けます。ローワーマネジメント、ミドルマネジメント、トップマネジメントです。
ローワーマネジメント……組織内では、一般社員や主任、係長に当たります。「ちゃんとやる人、実行する人」です。現場をうまくまとめるのが主な役割で、上からの指示を徹底して実行することが求められます。
ミドルマネジメント……課長、マネージャーに当たります。「なんとかして目標を達成する人」で、自分の部署の目標達成に責任を持ちます。自分で直接実務は行わずに、チーム全体の力でなんとかして目標を達成する方法を考え、実行します。
このクラスの人が自分で仕事をして目標を達成したとしても、それが評価につながるわけではありません。部下にやってもらって目標を達成することで、初めて評価されます。
トップマネジメント……ひと言で言うと「決める人」であり、会社経営に携わる人です。経営方針や経営戦略を決定するのが仕事です。マネージャーから上がってくる情報を精査し、それらをもとに意思決定を行います。具体的に何かを実行するのではなく、マネージャーがした仕事の責任をとるのが仕事です。
このクラスの人の仕事は3つしかありません。「旗を振ること」「成果に対して感謝すること」、そして「部下の失敗やミスの謝罪をすること」です。自分1人では何もできませんので、忍耐力をものすごく鍛えられます。ある映画の中で、「リーダーの一番の仕事は許すことだ」というセリフがありました。「本当にその通りだなぁ」と私も日々実感しています。
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