日本人はとかく今現在しか考えない 『日本人はなぜ株で損するのか?』を書いた藤原敬之氏に聞く

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──ソブリン危機は従来の株価通念をも壊していませんか。

リーマンショック以降、何が起こったか。ソブリン危機で国債のリスクフリーレートという概念が崩れ、それをベースに価格づけをするという体系が成立しない。国債への信頼が崩れてしまったからだ。これでは、従来のような量的なクオンツを使ったアプローチで株を考えることは本来的にできない。株価素のような考え方がむしろ必要になる。

──一般の個人投資家はどうしたらいいのでしょう。

ファンドマネジャーより個人投資家のほうが投資には向いていると思っている。私は現役時代に660銘柄を毎日チェックしていた。個人はこれを1銘柄に絞ることができる。たとえばトヨタ自動車を徹底的に研究する。とにかく、分厚い大きなノートを買ってきて、毎日、日経新聞の関連する記事を切り抜き張り付け、株価も書く。これを半年続ける。そうすれば、その企業について並のアナリストよりずっと詳しくなっているはずだ。まず一つの銘柄に詳しくなり、企業に何が起こって、株価がどうなるか、を知る。株価だけを見ようとせず、その株式を発行している企業をまず見る習慣をつけることが第一歩となる。

ふじわら・のりゆき
1959年生まれ。一橋大学法学部を卒業。農林中央金庫、野村投資顧問、クレディ・スイス投資顧問、クレディ・スイス信託銀行を経て、数年後の独立を前提に日興アセットマネジメントで個人名を冠した「藤原オフィス」において投信運用を担当。現在は文筆活動、教育に従事している。

(聞き手:塚田紀史 撮影:尾形文繁 =週刊東洋経済2012年1月21日号)

記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。

 


『日本人はなぜ株で損するのか?』 文春新書 787円 216ページ

 

 

  

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