黒木華が振り返る「がむしゃらに走り続けた20代」 「肩の力を抜いてみたら、30代が豊かになった」
28歳は、ちょうど仕事でも少しずつ自分の力が認められはじめる頃。ようやくつかんだポジションを手放すことが怖くて、つい無理をしてしまう。けれど、ちょっと休んでみることで、分かることがある。
ただ、「3週間ぐらい休んだところでどうにかなるわけではない」ということは分かるようになりました。それに気付けただけで、以前よりずっと肩の力が抜けた気がします。
「悩んでいること」にそんなに悩まないで
「それは自分があの頃より成長できたから分かることなんですけどね」と、黒木さんは控えめに付け加える。
渦中でもがいている人は、目の前のことで精いっぱい。周りなんて見えないし、なかなか自分を省みる余裕も持てない。だからこそ、少し前をいく先輩の言葉が、闇夜を進む灯台になる。
ドライに聞こえるかもしれないですけど、とことん悩めばいいと思う。悩むことは、悪いことじゃないよと伝えたいです。
黒木さん自身も、20代のときにたくさん悩んで考えたから、自分なりの心のあり方を見つけることができた。もがき苦しむ中でできた傷は全部、なりたい自分になるための成長痛だ。
だから、悩んでいることにそんなに悩まないで。「今、悩んでいるんだな」と客観性を持って自分を見つめることが、悩みとのうまい付き合い方だと思います。
黒木さんがこんなにも潔く、軽やかでいられるのは、友達とも、悩みとも、自分なりの適度な距離感や付き合い方を身に付けているからなのだろう。
20代は、無理のない私でいられるためのさなぎの季節。硬い繭を破ったとき、黒木さんのように、もっと私らしい私になれるはずだ。


















