鷲北さんに浪人して良かったことを聞くと「努力の結果得たものの大切さを知った」と答えてくれました。
「勉強できなかったときは、僕は人の批判ばかりしている嫌な人間でした。でも、自分が実際に大学教員になってからは、自分の努力の結果で勝ち得たものがあるから、他人のバックグラウンドを理解し、尊重できる人間になったと思います。
振り返ると、高校生のときは僕が教育の道へ進むとはまったく思っていませんでしたね。大学院受験の最初の年は東京大学も受けたのですが、東大の院に落ちた後に、同大の藤田英典先生のもとに研究室訪問した際に『君のような現場主義の人は東大には向いていない、慶応の教育社会学が向いている』とアドバイスをいただいたんです」
学問はエリートのものだけじゃない
「それで慶応を志望して受け続け、なんとか合格できました。博士課程のときに、学会で藤田先生に再会した際に『君の発表には「志」がある、そのまま突き進みなさい』と言っていただいたときは感動しました。
おバカだった自分でも、学問で道が開けました。学問はエリートだけのものじゃありません。これからも、学生たちに夢を捨てなければ何歳になっても夢は開くので、挑戦を続けることが大事だということを伝えていきたいです」
偏差値25だった過去があるからこそ、伝えられることがある。その信念を持って学生に自身の経験を伝えている鷲北さんの人間性は、浪人の苦悩と挑戦の日々が作り上げたものなのだと思いました。
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