「巧妙化する詐欺」から親の財産を守る5つの備え 「特殊詐欺被害者」の約78%は65歳以上の高齢者
インターホンは「録画機能付き」を取り付けるのがおすすめ。来訪者が呼び出し音を鳴らしたら、「お名前とご用件を」と音声が流れる機能が付いたものが、より安心です。犯罪者は、自分の画像や音声が記録されるのを嫌うので、撃退効果は高いでしょう。
また、最近は宅配業者を装って強盗に入る事件もあります。荷物を直接受け取らず、置き配や宅配ボックスに入れてもらうなどの対策を。もしも親が悪徳業者と契約してしまったら、8日以内であればクーリングオフできます。その手続きをしてあげることも恩返しといえるでしょう。
金融業者などを名乗る相手から、「元本保証」「高利回り」「必ず儲かる」と言葉巧みに投資を勧められ、お金を渡したものの、元本の大半が戻ってこず、担当者と連絡がとれなくなった――こういった投資詐欺に狙われた人の65%が60代以上というデータがあります。
投資詐欺に引っかかるのは、老後の生活資金への不安が背景にあると感じます。人間、死ぬまでお金が必要ですから、気にせざるをえないのです。
「老後資金への不安」から詐欺師の標的に
誤解しないでほしいのは、親が投資をすること自体は個人の選択であり、決して悪いことではなく、否定するものではありません。
ただ、老後資金への不安を持ち、判断力が鈍ってきた高齢者は、詐欺師の標的になりやすいのも事実。彼らは、今後に高値がつく「未公開株」、将来、経済成長する「外国通貨」、「自然エネルギー」の権利、といったもっともらしいキーワードを用いて投資に誘導します。
子どもが親のためにできる対策としては、普段の会話のなかで「お父さん、テレビで話題になっているけど、こんな勧誘なかった? 必ず儲かる投資なんて、ないからね」と探りを入れてみる。
親が投資をしているとわかったら、念のため、投資先の業者の信用性や、金融庁に金融商品の登録をしているかなどを調べましょう。
最近はSNSでの投資広告が詐欺の入口になり、取引もネットで行われます。帰省のときにでも、「怪しいメールや広告が来ていない? チェックしてあげるよ」とスマホやパソコンのメールやWeb履歴を調べましょう。
その際に、フィッシングメールは迷惑フォルダに移動するよう設定しておく。前述のロマンス詐欺も、LINEやSNSをチェックすれば怪しい人物を発見できるでしょう。
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