「巧妙化する詐欺」から親の財産を守る5つの備え 「特殊詐欺被害者」の約78%は65歳以上の高齢者

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巧妙化する詐欺から親を守るうえで大切なのが、まず親の認知能力が低下していないかどうかを把握することです。認知能力=記憶力と思いがちですが、記憶力だけでなく、判断力、注意力、理解力、危険を察知する能力などいろんな要素があり、年をとると、これらが全般的に低下します。

いくら親が「私は大丈夫。ダマされない」と言ったとしても、認知能力は確実に衰えていきます。子にとって親の衰えを感じることはツラいものですが、老化は自然の摂理。それを受け入れましょう。

一方で、何歳になっても投資などのお金儲けに興味がある人もいますし、異性への関心は老いてもなくならず、恋が芽生えるケースもあります。そういうときめきや恋への期待感につけこむ悪徳商法も横行しています。

イケメンの好青年が営業に訪れ、「腰の痛みが消えて、よく眠れますよ」という口車に母親がのせられて、高額なふとん一式をローンで買わされた、といったケースは珍しくありません。

さらに怖いのがロマンス詐欺。主にSNSやマッチングアプリが入口となり、恋心を巧みに利用して、次々にお金を支払わせる。高齢の男性が若い美女にころっとダマされるのが典型例です。

大切なのは日頃からの「コミュニケーション」

親の認知能力や興味に子が無関心でいては、世にはびこる詐欺から親を守ることはできません。そのためにも日頃から親とコミュニケーションをとり、親が子どもに何でも相談できる関係を築いておくことが大切です。では、どうやって親を守ればいいのか、具体的な対策についてお伝えしましょう。

【実家の固定電話を防犯機能付き電話に交換】

詐欺の入口として利用されやすいのが固定電話。対策の基本は、在宅していても留守録に設定しておき、相手の声を確認してから受話器をとることです。最近は防犯機能付き電話が普及しているので、親の家の固定電話をこのタイプに交換するのがおすすめです。

私がケアマネジャーとして関わっているお宅では、みなさん防犯機能付き電話を使っています。機能を簡単に説明すると、登録してある番号以外から電話がかかってきても呼び出し音が鳴らず、相手に「この電話は防犯のため録音されています~お名前をおっしゃってください」といったメッセージが流れます。

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