トランプ新政権「対中強硬派」布陣に安心する台湾 対立の緩和を望む中国にとって厳しい状況になるか

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トランプ1.0がスタートする前、ポンペイオは連邦議員を3期務め、対中国強硬派として知られていた。中国を「アメリカの安全に対する最大の脅威」と断言し、後に「最も台湾寄りの国務長官」とも称されるほど、米中貿易戦争とともに対中強硬姿勢を明確にした。

しかし、ポンペイオに比べても、次期国務長官候補のルビオや、国家安全保障顧問に選ばれるウォルツは対中強硬姿勢が際立っている。さらに、次期CIA長官のラトクリフ、国土安全保障長官候補のノーム、そして国連大使候補のステファニクも、いずれも中国に対して非常に厳しい。

北京は米中対立の緩和を期待するが…

仮に北京が、トランプ2.0が米中関係をより実務的に扱うことを期待していたとしても、今回発表された新国家安全保障チームのメンバー構成を見る限り、その期待は打ち砕かれるだろう。

トランプにとってウォルツは「中国、ロシア、イラン、世界的テロの脅威に対応する専門家」であり、アメリカ陸軍特殊部隊「グリーンベレー」の出身だ。トランプが好む軍事経験を有する人材でもある。彼は議会で対中強硬派を代表し、長年にわたって台湾への武器売却の進捗を注視してきた。

また、次期CIA長官のラトクリフは、「中国は第2次世界大戦以来、世界の民主主義と自由に対する最大の脅威」と明言している。

国防長官候補のヘグセスも軍歴を持っているが、国際的な知名度は低く、トランプ1.0の初代国防長官マティスと比較されることが多い。マティスは元海兵隊大将で「狂犬」と呼ばれる強烈な個性で知られていたが、意見の相違によりトランプと決裂した。

今回、トランプは外部の人間をペンタゴンに投入するという大胆な決断をしたが、これにより軍内部の既存勢力に強い影響を及ぼすことが予想される。

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