トランプ新政権「対中強硬派」布陣に安心する台湾 対立の緩和を望む中国にとって厳しい状況になるか

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2024年11月6日、台北のある食堂で、トランプ氏が大統領選勝利を宣言している様子がテレビで流されている(写真・Daniel Ceng/Anadolu via Getty Images)

「台湾は遠く離れている、誰が気にするのか?」。取引型孤立主義が主流になる中、トランプがホワイトハウスに復帰、台湾政策の行方はどうなるか。4年の時を経て、既存のルールを覆すことに最も長けたトランプ前大統領がホワイトハウスに返り咲く。議会選挙でも共和党が優勢だ。これは少なくとも将来2年間、トランプ政権が完全な執政体制の下で優先政策を推進できることを意味する。トランプ自身これを「アメリカの真の黄金時代になるだろう」と宣言した。

「ポンペイオ国務長官」を期待していたが…

トランプ2.0の人事が連日発表されているが、とくに注目すべきは新設される「政府効率部門」のトップに、テスラのCEOイーロン・マスクとバイオテクノロジー企業家ビベック・ラマスワミが就任することだ。

そして、FOXニュースの司会者ピート・ヘグセスが国防長官として任命され、今回の安保チーム最大のサプライズとなった。台湾がとくに注目すべきは他のいくつかの人事案件であり、これによってトランプ2.0の「対中強硬ライン」が形成されていることが見えてくる。


下院議員エリス・ステファニクが国連大使に、下院議員マイク・ウォルツが国家安全保障担当補佐官に、前国家情報長官ジョン・ラトクリフがCIA(アメリカ中央情報局)長官に、サウスダコタ州知事クリスティ・ノームが国土安全保障長官にそれぞれ就任予定である。また、上院議員マルコ・ルビオが国務長官になる可能性が極めて高い。

これらの人選の最大の共通点は、いずれも「対中強硬派」である点だ。

選挙前、トランプ2.0でポンペイオが要職を務めるだろうという見方が強かった。それも無理はない。日本製鉄はアメリカ企業との合併を目指しており、バイデン政権とトランプの双方が反対の立場を示す中、2024年7月にはポンペイオを顧問に迎え、障害を取り除くための助力を得ていた。

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