絶望パスタの「ホームズ」チェーン展開の真相 こだわりオーナーシェフの味を次代に承継

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看板メニューは「絶望のスパゲッティ」。自家製のミートソースに生クリーム、オリーブを加え、ニンニクと唐辛子でパンチをきかせた濃厚スープソースにキノコベーコンソテーをトッピングした一品。

ほかではなかなか食べられない、やみつきになる味のようで、深めの皿の縁ギリギリまで盛られたインパクトあるビジュアルも相まって、長年、常連客に足を運ばせてきた。

生ハム贅沢盛り
生ハム贅沢盛り(2480円)。ハモンセラーノやミラノサラミの他、ピスタチオが入ったモルタデッラなどが盛り合わせてある。ハモンセラーノは付け合わせのメロンに巻いて食べてもよいが、ピザの耳に巻くのもおすすめとのこと(撮影:尾形文繁)

職人気質のオーナーシェフがFC化を進める理由

そのホームズパスタが、2022年より飲食店運営やコンサルティング、リブランディング等を事業とする東京レストランツファクトリーと業務提携し、ブランド展開を委ねることで、チェーン化を進めている。もともとのオーナーが出店した渋谷本店、新宿店に加えて、東急プラザ渋谷内、アトレ品川内、池袋、成増、新潟・長岡と全7店舗を展開。うち、東京レストランツファクトリー直営店が2店舗、加盟店オーナーによるFC店は3店舗だ。

東京レストランツファクトリーは2003年創業。六本木の会員制バーをはじめとする高級店舗を多店舗展開し、成長してきた。展開ブランドには「鳥幸」「きよやす邸」などがある。

これらのブランドとホームズパスタを比べると、雰囲気、価格帯もかなり異なっているが、なぜホームズパスタと手を結ぶことになったのだろうか。狙いについて、東京レストランツファクトリーFC事業部事業推進部長の川俣雄二氏は次のように説明する。

「コロナ前まで急成長、上場も目前だったが、コロナ禍でストップ。新しい投資もできなくなったことから、リブランディング事業に方向転換した。一方で、これまで事業を行う中で高齢化等さまざまな理由で個人店が消えていく現状を肌で感じてきた。日本の食のクオリティを守り、なおかつ世界に発信していきたいと考え、新たなプロジェクトを立ち上げた」(川俣氏)

プロジェクト名は「未来に残したい日本 継なぐプロジェクト」。その1号案件となったのがホームズパスタだった。たまたま、東京レストランツファクトリー代表取締役の渡邉仁氏も「大学の頃から通っていた」長年のファンだったという。

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