"サウナ230カ所巡った"彼女の「心が整う」働き方 会社が副業を後押し、ライターとしても活動

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サウナから出ると、友人と合流して館内着のまま「サ飯」やアルコールを楽しみながらのんびりおしゃべりする。サウナ施設周辺の飲食店へ繰り出すこともあるという。

サウナ 川邊実穂
くらすサウナつるぎ(富山県)のサ飯、氷見漁港で水揚げされた「ひみ寒ぶり」のしゃぶしゃぶ(写真:佐々木麻帆)

サウナ施設にはサウナや水風呂、休憩、サ飯など楽しみがたくさんあるが、やはり至福の時間はいわゆる「ととのった」瞬間なのだろうか。川邊さんに尋ねると、こんな答えが返ってきた。

「スマホから離れて、同じ空間で同じ体験をした友達と会話を楽しんで笑い合う時間でしょうか。その時間が尊くて、毎回、休憩中に『サウナを好きになって本当によかった〜』と思っているんです。私にとっての至福の時間はそれですね」

ただ、サウナ人気の一方で、サウナの熱さや水風呂の冷たさが苦手で、興味はあっても楽しめない人がいる。筆者もこのタイプなのだが、川邊さんからアドバイスをもらったので共有したい。

「サウナの目的は、自分が心地よい状態になることです。セオリー通りにしようと無理せず、自分が心地よくなる入り方を見つけてみてほしいと思います。おしゃべりしながらだと10分はあっという間ですから、おしゃべりできるサウナに友人と行くのもいいと思いますよ。

黙浴がルールの施設もあるので、ある程度自由が利く貸し切りの個室サウナ、屋外にサウナ室を設けているアウトドアサウナから始めるのもおすすめです。温度が低めのドアの近くに座ったり、ドアをときどき開け放して入ったりしてもいいですね」

ライターが本業での異動につながった

川邊さんが副業でサウナライターを始めたのは2022年。コロナ禍で自分の働き方やキャリアについて考える中で、ライターに興味を持ったのがきっかけだった。

はじめはテーマ問わずに書いていたが、あるとき「好きなサウナについて書こう」と思い立ち、サウナライターとして活動するようになった。2024年1月には著書『絶景サウナ旅〜大切な人と行きたい! 極上の異世界〜』を出版。すると、川邊さんの「本業」に変化が起き始めた。

「『本業と関連のない副業をしている人がいる』と面白がってもらえて、社内の知らない人から連絡が来るようになったんです。自分も本を出したい、ライターをしてみたいという相談や、今度一緒にサウナに行きましょうというお誘いなどいろいろある中に、グループ会社でメディア運営の仕事があるから手伝ってもらえないか、というお話もあって。それがいま所属しているNTT DXパートナーへの異動につながりました」

サウナ 川邊実穂
川邊実穂さん(写真:川邊さん提供)
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