「間違えたら赤っ恥」大人が解きたい文章問題5選 次の文章の中にいくつ間違いがあるでしょう?

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慣用句の誤りとして、有名なところでは「押しも押されもせぬ有名人」などと使う「押しも押されもせぬ」を「押しも押されぬ」としてしまうというものがあります。

他にも「たで食う虫」は「蓼食う虫」で「他で食う虫」ではなく、怒りは「心頭に発する」で、「心頭に達する」ではありません。頼りにしてすがろうとしても相手にされない「とりつくしまがない」を「とりつくひまがない」とするのは誤りです。

また、「二の舞を演じる」は、「二の舞」に前の人の失敗という意味があるため「二の舞を繰り返す」は適切ではありません。

記憶にだけ頼るのは危険

最後に、言葉の使い方や漢字は合っていても、事実関係が誤りである場合の例を挙げます。

5:
2021年、新幹線で横浜駅に着いた後、私は叔母とともに都内に行き、麻布台ヒルズで買い物を楽しんだ。

すぐわかりましたか?

新幹線は横浜駅には止まりません。ここはおそらく「新横浜駅」と思われます。また、冒頭に「2021年」とありますが、麻布台ヒルズの開業は2023年のため、この当時、ショッピングを楽しむことはできないと考えられます。「六本木ヒルズ」などと混同しているのではないでしょうか。

人の記憶はあいまいなもので、事実と異なることが少なくありません。記憶だけに頼るのは危険です。

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ちなみに、ここまで挙げた5つの問題の中に事実関係の誤りを1つ、こっそりまぜていたのですが、気がつきましたか。

……4つ目の問題文中にある「内閣府」は、前に「昭和の終わりごろ」とあるため誤りです。内閣府は2001年の、いわゆる中央省庁再編で誕生しました。ですので、ここはべつの省庁などではないかと考えられます。

ちなみに、この中央省庁再編で「経済産業省」や「国土交通省」「総務省」などが生まれました。また大蔵省は「財務省」に、環境庁は「環境省」になりました。

このように誤りはどこにでも隠れているものです。「文章に誤りはつきもの」という気持ちで、ぜひご自身の文章の書き方、読み方を磨きあげてください。

長岡 平助 編集者

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ながおか へいすけ / Heisuke Nagaoka

福岡県生まれ。2007年、毎日新聞社に入社。出版局(現在の毎日新聞出版)、学生新聞編集部、学芸部などをへて2024年に退職。同年、JTBパブリッシングに入社。書籍編集を担当。

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