購買意欲を引き出したオリオンビールの成功事例 ゼブラが普通のボールペンに付けたプレミアム
このオリオンビールの「沖縄愛」を象徴するもののひとつに、季節や数量を限定して発売される、「デザイン缶」の商品キャンペーンがあります。
2023年夏には、地元のプロバスケットボールチーム・琉球ゴールデンキングスがBリーグの2022―2023シーズンで優勝を果たしたことを称え、デザイン缶のビールが発売されましたが、またたく間に完売しました。
また、何より根強い人気を誇っているのが、首里城のイラストをあしらった「首里城復興支援デザイン」です。
2019年10月に火災で焼け落ちた首里城の1日も早い再建・復興を願い支援するために、2021年に数量限定で発売されて以後、2022年、2023年にも新デザインにリニューアルされて発売されています。
このデザイン缶では、売上の一部が首里城復興支援活動に寄付され(2021年時は1本につき3円)、2022年には、首里城の建築資材として使われるイヌマキ(チャーギ)という樹木の植樹・育樹を実施しました。
首里城復興支援以外にも、2022年1月には、「沖縄・奄美 世界自然遺産登録記念」で、沖縄・奄美の動植物をモチーフとしたデザイン缶が発売されています。こちらも売上の一部が、沖縄・奄美の環境保全活動に活用されています。
参加する実感を得られる取り組みに
これらのデザイン缶によるキャンペーンの特典ですが、ひとつは、季節限定・数量限定の稀少なスペシャルデザインです。
主に沖縄県出身のデザイナーの手による、「~応援」「~支援」「~記念」など、それぞれのテーマが象徴的かつ印象的にデザインされた缶は、マニアやコレクターにとっては垂涎(すいぜん)ものでしょう。その缶はオリオンビールの取り組みや活動に参加した証しにもなります。
しかし実は、多くの購入者=キャンペーン参加者にとっての一番の特典は、ゴールデンキングスを応援できることだったり、首里城再建・復興支援に貢献できることだったりします。何かに貢献できることに価値を見いだす時代にシフトしているのです。
そうした活動に参加することを通して、「ちょっといいコト」をした気分になれるという充足感や満足感。それこそが、いまの時代にプレミアムと感じてもらえる特典なのです。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら