なぜ「ダイソー釣り具」に私たちは魅了されるのか 「100均ビジネスの救世主」になりうる商品の顔ぶれ

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ジャーナルの表表紙、裏表紙。全て100均素材で作成(写真:筆者撮影)

「推し活手帳」づくりに活用する客も多い。推しの写真をページのメインに配置して周囲にキラキラしたシールをちりばめて、自分だけの世界を作り上げることができる。これもまた、100均の材料を消費する。

こういうものは、一つ作るとまた次を作りたくなるもの。また違う紙モノを買ってきて、その世界観にあう素材を集めて――以下、繰り返しの消費沼が口を開けるのだ。紙モノは、見た目はファンシーだが、いくらでもお金を吸い込んでしまうモンスターの棲家に違いない。

100円でも勝負できるアイテムはある

釣りの仕掛けも、手帳のコラージュに使うペーパー類も、製造コストが莫大にかかるとは思えない。原価はそこそこ、100円でも売ることができ、かつ使い切りで繰り返し買ってもらえるアイテム。これほどありがたい商品はないだろう。

そして、両方とも生活必需品ではなく、ささやかな楽しみを求めて買うものだ。だから、購入する際もうきうきする。どんな大きな魚が釣れるか、どんな可愛いページが作れるか。それが一つ100円なら、つい多めに買ってしまっても良心は痛まない。

100均を取り巻くコスト環境は今後も厳しくなるだろう。そんな中でも、常に新しい鉱脈を探してくるのが、この業界だ。100円で売ったとしても、繰り返し買ってもらえるアイテムが増えていけば、十分戦力になる。世のブームを敏感にかぎ取り、そこに商品をどんどん投入していくのが、100円ショップの底力だ。次は何をしかけてくるのか、楽しみに待ちたい。

松崎 のり子 消費経済ジャーナリスト

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まつざき のりこ / Noriko Matsuzaki

20年以上にわたり『レタスクラブ』『レタスクラブお金の本』『マネープラス』などのマネー記事を取材・編集。家電は買ったことがなく(すべて誕生日にプレゼントしてもらう)、食卓はつねに白いものメイン(モヤシ、ちくわなど)。「貯めるのが好きなわけではない、使うのが嫌いなだけ」というモットーも手伝い、5年間で1000万円の貯蓄をラクラク達成。「節約愛好家 激★やす子」のペンネームで節約アイデアも研究・紹介している。著書に『お金の常識が変わる 貯まる技術』(総合法令出版)、『「3足1000円」の靴下を買う人は一生お金が貯まらない』(講談社)、『定年後でもちゃっかり増えるお金術』(講談社)。
【消費経済リサーチルーム】

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