なぜ「ダイソー釣り具」に私たちは魅了されるのか 「100均ビジネスの救世主」になりうる商品の顔ぶれ

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「100均」の救世主となるのは?(写真:筆者撮影)

全く余計なお世話だと思うが、100均ビジネスの将来が心配だ。消費者の節約志向を味方につけ、1兆円市場にまで成長したデフレの申し子だが、今や円安・製造コスト・人件費のトリプル負担増が重くのしかかる。

ダイソーやキャンドゥは早々に100円縛りに見切りをつけ、多価格帯にシフトしつつ対抗しているが、それでも100円商品がすべて消えるわけではない。価格を固定する限りどこかでコストを削るほかはなく、商品のサイズが小さくなったり、内容量が減ったり、最悪すっぱり商品自体が姿を消す――なんてことも起きている。

低価格を守るために絶えず企業努力を続けているとはいえ、100円ショップの道のりは厳しいに違いない。特に、100円にこだわり続けるセリアがどこまで我慢できるのか。そんな風に密かに心を痛めていたのだが、売り場を回っていてハッとした。100均が稼ぎ続けるためのヒントとなる商品を見つけたのだ。最初にそれに気づかされたのは、「100均釣り具」の売り場だ。

「ダイソー釣り具」をなぜ買ってしまうのか

コロナ禍中に、「釣り」のプチブームが起きた。換気不要のアウトドアで手軽に楽しめるレジャーとして支持され、どこの釣り場も大賑わいだった。早朝から釣り場に入り、ストイックに釣るというより、ライトに竿を出すファミリーの姿が目立ったものだ。

そんなエントリー層に大いにアピールしたのが「ダイソー釣り具」だ。いきなり釣り具専門店に行っても、品数が多すぎて何を選べばいいかさっぱりわからないし、道具を一通り揃えるには金がかかる。そこに行くと、専門店で買うのと遜色がない道具と仕掛け(釣り針など)が安価に買えるのだ。

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