フジ「新人アナいじり」が許せないという人の盲点 被害者と加害者は誰か、本質が見落とされている

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ただ現在の世の中は、「そう断定したくなるほど、多くの人々にとって生きづらいもの」ということなのかもしれません。

ともあれ間違いないのは、上垣アナ本人の意思が優先されるべきであること。このまま騒動が大きくなるほど、上垣アナは本音を語りにくくなり、居心地の悪い日々を過ごしていくでしょう。

その割合こそわかりませんが、業界を問わず新社会人の中には、「なじむきっかけがほしいのでイジってほしい」という人もいます。実際、筆者の周囲にも「逆に距離を取られるほうが寂しい」「気をつかわれすぎたり、注意されなかったり、食事に誘われないほうが自分のためにならない」と話す新社会人が何人かいました。

フジテレビ
「2001年生まれです」と年齢を言い、周りが驚くのがお決まりのパターンとなっていた(画像:公式YouTube「めざましmedia」より)
フジテレビ
(画像:公式YouTube「めざましmedia」より)

本音を語りにくくなること以上に懸念されるのは、第三者の過剰な反応が本人の負担になりそうなこと。たとえば今回の件で、もし先輩アナやスタッフが上垣アナと距離を取りはじめたら、成長する機会を奪われかねません。また、共演するタレントの中にも、批判を恐れて最小限のやり取りにとどめる人がいても不思議ではないのです。

新社会人にとって「腫れ物扱い」されることがどれだけマイナスなのか。上垣アナのような意欲的な23歳の若者には気の毒な状況になってしまいました。今後しばらくは「外見に関するコメントがNG」になりそうなことも含め、もはや本人が窮屈な思いを強いられることは避けられないでしょう。

それどころか、ちょっとした失言をしただけで「こんな人だと思わなかった」と批判の矢印が180度回転し、上垣アナに向かいそうな危うさすら感じさせられます。

公平性を欠くメディアの編集姿勢

今回の騒動を見ていてもう1つ「見逃せない」と感じたのはメディアの報じ方。今回に限った話ではないものの、明らかに「批判をあおってPVを得よう」という姿勢が見られる記事が続出しているのです。あまりにひどい内容なのでメディア名は書きませんが、Yahoo!ニュースとして扱われた主な記事のタイトルを並べてみましょう。

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