フジ「新人アナいじり」が許せないという人の盲点 被害者と加害者は誰か、本質が見落とされている

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動画の内容を振り返ると、問題となっているのはCM中のやり取り。

「FNS27時間テレビ」のTシャツに着替えた上垣アナに対し、先輩の西山喜久恵アナ、生田竜聖アナ、阿部華也子アナが「すごい似合わないね、Tシャツが」「ポップなTシャツが似合わないね」などと反応しました。

上垣アナは「あれ? 本当ですか? 個人的にはすごく似合っていると思いました」と返しましたが、話題は2001年生まれの23歳であることに移り、「2001年? 信じられない」「絶対嘘つきだよ」などと笑って話す様子が映されていたのです。

フジテレビ
中継先の上垣アナと雑談を交わすスタジオの面々(右から西山喜久恵アナ、生田竜聖アナ、阿部華也子アナ)。上垣アナのTシャツ姿と年齢にツッコミを入れた(画像:公式YouTube「めざましmedia」より)

ネット上の批判で最も目立つのは、「容姿イジリは許せない」「このイジリ方はイジメではないか」という声。自分が容姿に関するイジリを受けたことがある人もいるでしょうし、それをイジメと感じた人もいるのかもしれません。ただそれでも今回の件は言葉だけを取って「イジリ」「イジメ」と断罪するには多少の無理があります。

その理由は主に以下の3点。

1つ目は、上垣アナがメディアの出演者であり、さらにお天気キャスターデビューのタイミングだったこと。メディアの出演者は顔と名前を覚えてもらうところからスタートしますが、その際、出演者やスタッフからさまざまな形で盛り立ててもらい、番組の一員として認識されていくというステップを踏んでいきます。

上垣アナでいえば入社した4月の段階から新人らしからぬ落ち着いたたたずまいと言動がフィーチャーされ、動画で問題視されている発言につながる流れがありました。つまり、「まずはこのキャラクターで視聴者に顔と名前を覚えてもらい、現場の共演者やスタッフにも溶け込んでいこう」というコミュニケーションの入り口としての要素があったのです。

動画の前からキャラが浸透していた

また、上垣アナがどんなに落ち着いて見えても、当時は入社3カ月程度の新人。さらに兵庫県生まれで大阪の大学に通っていたため、東京での生活がはじまったばかり。技術や経験の差に加えて、すでに関係性が構築されている東京の現場に後から入ることは簡単ではないでしょう。

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