世界一の「オランダ教育」現地日本人が見たリアル ブログやSNSで語られる「素晴らしさ」は本当か

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そんなオランダの教育を受けるために移住する家族も増えており、ブログやSNSではその素晴らしさがよく伝えられている。しかし、それらを見ると、筆者が知っているオランダの小学校とはかなり異なる。

これはどういうことなのか。世界100カ国以上の現地在住日本人ライターの集まり「海外書き人クラブ」の会員で、現地在住8年の筆者がその実情に迫る――。

「宿題もテストもない」は本当?

「オランダの教育が素晴らしい」とされる1つに、勉強へのプレッシャーが少なく、のびのびと子育てができる点や、学校制度そのものについて紹介されている。例えばこのような感じだ。

1 宿題がない!
2 テストがない!
3 イエナプランやシュタイナー教育など、オルタナティブ教育がたくさん!
(※オルタナティブ教育:一般の学校で行われている伝統的な教育とは異なり、独自の理念や方針による教育)
4 どんな学校も学費がタダ!
5 好きな小学校を選べる!
6 塾も受験勉強もない!

ではこれらが本当なのか、具体的に見てみよう。

1 宿題がない!

ある。

日本の学校のように「毎日出る」のではなく、「週に一度、まとめて提出」だったり、テスト前だけの場合も。学校向けに販売されるドリルやプリントといった副教材ではなく、オンラインの教材を学校で印刷して配布することが多い。

ただし、オルタナティブ教育の学校ではまったく宿題がない場合もあり、そこから「オランダの小学校=宿題がない」という説が広まったようだ。

2 テストがない!

ある。

多くの小学校では習熟度を確認する単元テストや、地理など地名を暗記するテスト、オランダ語もスペリングや発音などのテストがある。だが上述同様に、テストがない学校もある。

3 イエナプランやシュタイナー教育など、オルタナティブ教育がたくさん!

そこまでたくさんではない。

確かに日本と比べると教育の種類も学校数も多い。だが、都市部と地方では異なるが、筆者の住む周辺では1つの自治体に1校くらいだ。

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