世界一の「オランダ教育」現地日本人が見たリアル ブログやSNSで語られる「素晴らしさ」は本当か

✎ 1〜 ✎ 29 ✎ 30 ✎ 31 ✎ 32
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
4 どんな学校も学費がタダ!

本当。

宗教系、オルタナティブ教育、一般の学校など教育の種類にかかわらず、義務教育期間中の学費は無料(ただしオランダの教育機関のみ。インターナショナルスクールは除く)。

教材費もかからず、筆者の子どもが通う小学校では、今年から鉛筆などの学用品もすべて学校が用意することになった。ただし寄付金や校外活動費などを別途請求があり、その金額は学校によって異なる。

5 好きな小学校を選べる!

本当。

学区制ではないため、住所にかかわらず好きな学校を選ぶことができる。ただし人気校はすぐ埋まってしまうため、空きが出るまでほかの学校に通ったり、入学待ちリストに申し込んだりする場合もある。

逆に学校が気に入らなければ、いつでも自由に転校してよい。

「進学」は小学校の教諭が決める?

6 塾も受験勉強もない!

これはウソ。

というより、日本と制度は異なるものの「全員が受験をして中学校を選択する」必要がある。

オランダでは小学校卒業以降は、進路がいくつかのコースに分かれている。ざっくりいうと、中卒コース、高卒コース、大学進学コースといったイメージだ。しかもどのコースに進んでよいかは、最終学年である8年生の担任を中心に小学校の教諭が決める。

その決定をもとに希望校に願書を出すので、「内申書による推薦入学を全員が受ける」という感じだ。個別に学力テストがある学校もあるが、一発勝負の入学試験というものは基本的にない。

逆にいうと、どれだけ行きたいコースがあっても、指定されたコース以外には願書を出すこともできない。学力や適性を十分考慮したうえでの決定なので、それを覆すためには、小学校最後の年に行われる全国一斉学力テストで相応の結果を出すなど、実力の提示が求められる。

特に国語と算数が重視されるので、苦手科目を底上げするために塾などを利用する家庭も増えている。

宿題
算数の宿題の1つ。筆者の子どもの学校では高学年から、毎日ではなく週単位で範囲が指定され、決まった曜日に提出する(写真:筆者撮影)
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事