「気温差不調」でつらい人にお勧め"漢方的対処法" 「去年より調子が悪い」と感じる人が実は多い

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先に話したとおり、果物の摂りすぎはお勧めできませんが、フレッシュなものを適度に飲むのは悪くありません。そのときにこうしたスパイスで、果物の持つ体を冷やす作用を薄めてあげるといいでしょう。例えば梨ジュースなら、冷やす性質は薄れる一方で、体を潤す効果は残るので、陰虚を解消してくれます。

シナモンは体を温める作用のあるスパイスで、手に入れやすいです。チャイなどの飲み物や料理に上手に取り入れるといいでしょう。シナモンスティック1本をカレーや煮込み料理に加えても◎。風味が増して、おいしくなります。

日常生活で冷えを予防・改善するには、3つの首(手首、足首、首)をガードすることが重要です。

防寒対策として、上着を羽織ったり、厚着をしたりすることもありますが、多くは上半身への対策になりがち。大事なのは足元なので、そこをしっかり温めましょう。足元のなかでもふくらはぎを冷やさないほうがよいので、薄手のハイソックスやレッグウォーマーを利用しましょう。

足が蒸れるとかえって冷えてしまうので、蒸れにくいシルクやコットンなど通気性のよい薄手の素材がお勧めです。いずれにしても、外出中、足元はあまり脱いだり履いたりができないので、上半身よりも対策はしっかりしたいところです。

冷え対策の1つとして、お風呂に入ることも勧められます。

入浴は深部体温を上昇させ、冷えからくる寒暖差不調にも備えることができます。寒暖差に強い体を作るために温冷浴も有効です。体が温度差に慣れる、その予行練習になるからです。

温冷浴は本来なら頭から湯と水を交互にかぶりますが、さすがに慣れていないとハードルが高すぎるかもしれません。その場合は、湯船で十分に温まった後、最後に膝から下だけ冷たいシャワーを10秒程度かけます。それでも十分に温冷浴の効果は得られます。

それでも体調が改善しないときは

最後に、寒暖差不調で体調を崩したときに、お勧めしたい漢方薬です。

先にも書きましたが、寒暖差不調の原因は自律神経の疲労にあります。この自律神経の疲労を回復して、バランスを整えるのが「桂枝湯(けいしとう)」です。桂枝湯には妊婦さんには使えない麻黄(まおう)という生薬が入っていないので、安心して服用できます。

桂枝という生薬は、シナモンの仲間です。香りがよく飲みやすいのが特徴です。韓国や中国では、桂枝湯を甘く飲みやすくしたドリンク剤があるほどです。

平地 治美 薬剤師、鍼灸師。 和光鍼灸治療院・漢方薬局代表

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ひらぢ はるみ / Harumi Hiraji

東洋鍼灸専門学校非常勤講師、日本東洋医学会代議員。朝日カルチャーセンター、津田沼カルチャーセンターなどで漢方関連の講座を担当。明治薬科大学薬学部卒業後、漢方薬局勤務を経て、東洋鍼灸専門学校に入学。漢方治療の大家である寺師睦宗氏に漢方を、石原克己氏に鍼灸を、クリシュナU.K氏にアーユルヴェーダ医学を学ぶ。著書に『げきポカ』(ダイヤモンド社)、『舌を見る・動かす・食べるで健康になる』(日貿出版)など。You tube「平地治美・漢方チャンネル」も開設。ブログ「平地治美の漢方ブログ」。

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