3年ぶりの新モデル「iPad mini」は"誰向け"なのか 上位モデルに迫る性能を軽量ボディに詰め込む
もっとも、これは筆者が写真撮影を趣味としているから最初に思いついただけで、ご存知のようにさまざまな現場でiPadは使われている。単純な操作端末としてiPadが使われている現場も多いが、iPad Proがよりクリエイティブなアプリケーションを開拓したため、それらをiPad miniのサイズで活用できる。
例えば、建築デザイナーなどが使う「Morpholio」というアプリでは、内蔵カメラとiPad OSのAR機能を活用し、建物を実寸で計測して3Dモデリングを行い、その場でスケッチを加えたりできる。また、提案書と共に整えたデザインモデルを顧客に見せながら、iPadの画面でテクスチャの割り当てを変更しながら、仕上がりを検討するといったこともできる。
ほかにも例を挙げればキリがないが、iPad Proが開拓してきた各種業務をサポートするアプリケーションが、iPad miniのサイズで本格的にパフォーマンスの不足なく扱えるようになることは、素直に評価すべきところだ。
なお、ベンチマークテストをしてみたところ、放熱面ではiPhoneよりもはるかに優位と考えられるが、CPUのマルチコアではiPhone 15 Proを大幅に下回った。シングルコアのスコアはほぼ同等であることから、マルチコアを同時に動かしたとき、発熱の問題によるパフォーマンス低下が現れている可能性がある。 GPUスコアに関しても若干ではあるが同様の傾向を示しており、意外にも熱設計はiPhoneよりも厳しいのかもしれない。
Apple Pencil Pro対応の功罪は?
今年の春に発売されたM4搭載の新しいiPad Proから導入されたApple Pencil Proは、デザインやイラストレーションなど、iPad上でクリエイティブな作業をしているアーティストにはとても好評だ。
その一方で、第2世代Apple Pencilが使えなくなったことに関して、不満の声も上がっている。しかし、トータルで見ると、やはりApple Pencil Proに対応したことはプラスのポイントとして挙げておきたい。
前述したApple Pencilの回転を察知して入力に使えるバレルロール機能は、建築スケッチやデザイン画の作成において、従来のデジタルツールでは実現できなかった繊細な表現を可能にする。それだけでなく、3Dオブジェクトを操ってコンピューターアニメーションを制作するツールなどでは、オブジェクトを回転させながらアニメーションの軌跡を指定するなど、従来は手間がかかっていた作業を感覚的に行える。
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