3年ぶりの新モデル「iPad mini」は"誰向け"なのか 上位モデルに迫る性能を軽量ボディに詰め込む

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スクイーズ機能によるツール、パレットの呼び出しや、触覚フィードバックなどは好評ではあるものの、もっとカジュアルにApple Pencilを使っていたユーザにとっては従来の(安価な)Apple Pencilが使えなくなったことに不安を感じているかもしれない。

とはいえ、USB-C対応Apple Pencilはもちろんそのまま利用可能だし、サードパーティー製のApple Pencil互換製品もペアリングさえ可能なモデルであれば問題なく動作する。筆者の手元には4000円ほどの低価格なApple Pencil互換製品があるが、新型iPad miniで問題なく動作した。

競合のないプレミアムなジャンル

実は筆者がアップルの取材をアメリカで行うようになったのはiPad miniの初代モデル発表時が最初だ。2012年10月23日のことだが、当時のiPad miniは7.9インチ1024×768画素で、搭載プロセッサーはA5チップ。

軽量なコンテンツビューアーとして、KindleやAndroid搭載7インチタブレットと競合していたほか、電子書籍リーダーとしての用途を意識したコンテンツ消費デバイスだった。翌年には、解像度が縦横2倍になったものの、基本的な位置づけは変わらなかった。

iPad miniの役割が変化し始めたのは、Apple Pencilに対応し始めた頃で、その流れは第6世代での全画面ディスプレイ化によって決定づけられたと言える。しかし、今回はUSBの速度が強化され、内蔵プロセッサーのパフォーマンスもGPUを含めて大きく向上。上位モデルと同等のアプリケーションを同じようにこなせるプレミアムなミニタブレットというジャンルを確立した。

本来ならば、競合する製品との切磋琢磨を期待したいところだが、残念ながら競合は見当たらない。iPad miniシリーズは、iPadシリーズ全体における構成比としては少ないと見積もられているため、今後も新しいモデルへの更新間隔は従来通り”長め”になるだろう。

そうした意味では、今後のiPadOSの進化やApple Intelligence対応など、今後の発展性に長期間、じっくりと対応していくことに期待できる。iPad miniは、とにかく高性能を持ち歩きたい人が、末長く使えるモデルとして安心して購入できる1台と言える。

カラーはブルーとパープルが加わった(写真:アップル)
本田 雅一 ITジャーナリスト

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ほんだ まさかず / Masakazu Honda

IT、モバイル、オーディオ&ビジュアル、コンテンツビジネス、ネットワークサービス、インターネットカルチャー。テクノロジーとインターネットで結ばれたデジタルライフスタイル、および関連する技術や企業、市場動向について、知識欲の湧く分野全般をカバーするコラムニスト。Impress Watchがサービスインした電子雑誌『MAGon』を通じ、「本田雅一のモバイル通信リターンズ」を創刊。著書に『iCloudとクラウドメディアの夜明け』(ソフトバンク)、『これからスマートフォンが起こすこと。』(東洋経済新報社)。

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