AI翻訳「ポケトーク」アメリカ市場を席巻の原動力 専用端末、セキュリティ重視で公的機関に浸透

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アメリカでは教育機関からの受注が稼ぎ頭となっている(ポケトーク提供)

教育分野以外にも、ヘルスケア、ロジスティクス、公的機関など、多言語コミュニケーションニーズの高い分野で採用が進んでいる。これらの市場の潜在規模の大きさから、松田憲幸会長は「アメリカ事業は来年もしくは再来年には100億円の規模になっても全然不思議ではない」と述べている。

ポケトークアメリカ法人の業績も順調で、2024年2月に単月黒字化、同年1-6月期に半期黒字化を達成。9月時点で営業利益率17.8%を記録し、通期黒字化の見通しだ。

アメリカでは公的機関を中心に導入されている(筆者撮影)

専用端末市場でのポケトークの優位性と、ソフトウェアとハードウェアの組み合わせ戦略が、この成長を支えている。アメリカの言語アクセス政策の強化も追い風となり、今後さらなる成長が期待される。

翻訳専用端末はブルーオーシャン

AI翻訳市場は急速に成長しており、特にスマートフォンアプリの分野では大手テック企業を含む多数のプレイヤーが参入し、過当競争の様相を呈している。Google翻訳、Microsoft翻訳、DeepLなど、強力な競合がひしめく中、個々のアプリの差別化が困難になりつつある。

一方、専用ハードウェア市場に目を向けると、状況は大きく異なる。ポケトークの川竹一CTOによれば、AI翻訳に特化した専用デバイスは2〜3種類存在するものの、法人レベルのセキュリティ水準とMDM(モバイルデバイス管理)機能を備えた製品となると、選択肢はポケトークのみだという。この点が、ポケトークの市場での独自性を際立たせている。

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