AI翻訳「ポケトーク」アメリカ市場を席巻の原動力 専用端末、セキュリティ重視で公的機関に浸透

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

ポケトークライブ通訳は、ブラウザベースのAI同時通訳サービスで、さまざまなデバイスで利用可能だ。リアルタイムでの音声およびテキスト翻訳が可能で、オンライン会議や対面会議、セミナーなど多様な場面で活用できる。

ポケトークカンファレンスは、大規模な国際会議やイベントでの同時通訳を可能にするサービスで、10言語から74言語への音声およびテキスト通訳に対応している。聴講者は自身のスマートフォンで簡単に利用でき、専用機材が不要なため準備が容易でコスト削減効果が高い。ポケトークの若山幹晴社長によると、ポケトークカンファレンスの性能に感銘を受けた聴講者が、ポケトークユーザーとなることも多いという。

ポケトークカンファレンス
会議をリアルタイムで翻訳するポケトークカンファレンス(筆者撮影)

教育現場向けには、ポケトーク for スクールというサービスを展開している。このシステムは、教師の発言を生徒の母国語にリアルタイムで翻訳し、タブレットに表示する仕組みだ。若山社長によると、神戸市でのテスト導入を行っているほか、ソフトバンクと協力して多くの教育委員会への導入を進めていく方針だ。

授業をサポートするポケトーク for スクール(筆者撮影)

通信インフラの戦略的転換

ポケトークS2では、通信インフラ面でも大きな転換を図った。これまでKDDI系列のスタートアップであるソラコムと提携していたが、新たにソフトバンクを通じてドイツの1NCE(ワンス)のサービスを採用することを決定した。松田会長は、この変更について「圧倒的な低価格」を主な理由として挙げている。1NCEのeSIMサービスは基本料金が10年間で2000円という価格設定で、173カ国で通信サービス提供が可能となる。

新機種ではKDDI系のソラコムから、ソフトバンク系の1NCEに「乗り換え」を行った(筆者撮影)
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事