欧州DMAより厳しいスマホ新法が「ガラパゴスiPhone」誕生を促す可能性。機能が制限され、ユーザー体験の低下を招く恐れも

昨年6月に成立したスマートフォンソフトウェア競争促進法(SSCPA)の施行が迫っている。年内とされる施行に先立ち、関係各社との調整が引き続き行われているが、おそらく施行は年内ギリギリの12月になるだろう。
この法律を遵守するため、AppleとGoogleは日本の当局と準備を進めているが、明らかになってきているのは、SSCPAと同様の立ち位置から施行された欧州のDMA(Digital Markets Act:デジタル市場法)よりも、消費者への(マイナス面の)影響が大きくなる可能性があることだ。
SSCPAとDMAには、大きく異なっている面があり、それによる“大きな変化”が静かに迫っている。そして、それは理想的ではない副作用を及ぼしそうだ。
SSCPAとはどんな法律なのか?
SSCPAの特徴はAppleのiOSとGoogleのAndroidという、2つのスマートフォン向けOSを直接のターゲットとして組み立てられていることだ。
アプリストアを運営する巨大テクノロジー企業(条文では「特定事業者」と記載されている)が支配している事業活動における競争を促進することを目的としているが、現実にはその対象はAppleおよび子会社のiTunes、Googleの3社で、彼らに競争環境を維持する義務を課している(実際には国内月間ユーザー数4000万人以上の指定)。
ごく簡単に、その規制内容を紹介しておこう。
他社アプリストア提供の妨害
OS機能の利用制限
自社課金システムの利用強制
アプリ内での情報提供・リンク制限
ブラウザエンジンの利用強制
利用者認証方法の強制
取得データの不当利用
不公正な取り扱い
検索結果での自社サービス優先表示
・遵守事項(4項目)
取得データに関する開示
データポータビリティのための措置
デフォルト設定変更・チョイススクリーンの提供
ルール変更時等の情報開示
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