筆者は、全国的な経営者の組織で講演会をしばしば頼まれることがあります。そこで依頼されるテーマの多くが、「子どもたちに夢を持たせるには」です。経営者であり、大人になった自分が夢を持って頑張っている中、「今の子どもたちには夢がない、だから夢を持たせてやりたい」という気持ちが出ることは自然なことですが、押し付け的に夢を持たせたとしたら、子どもにとっては大きなお世話になりかねません。
大人ができる3つのアプローチ
しかし、そうは言うものの目標設定や夢の設定が大切であることには変わりありません。ですからそれを“どストレート”に子どもにぶつけるのではなく、上手にその方向へ誘ってあげる必要があります。
そこで、目標や夢を設定し、それに向かっていけるような子どもになるために大人ができる3つのアプローチについてお話しします。
これは言わずと知れた、「まずは大人が示す」というアプローチです。ただし、注意することは、自分がやっていればいいだけで、それを子どもにもやらせようとしないことです。子どもは大人が強要すると、それとは逆方向に行ってしまうため注意が必要です。
「子どもは親が言うとおりにはやらないが、親のとおりになる」と言われています。つまり、親が言い続けていることはやりませんが、親のやっていることを無意識のうちに真似していくというものです。
これは目標や夢だけでなく、片付けや勉強、読書にも言えることです。片付けを楽しんでやっている親の子どもは、やがて自然と片付けをやるようになっていきます。また、勉強や読書も親が自ら興味を持って行動していると、子どもはそれを強要されずに自然と見ているので、やがて行動として刷り込まれます。
ポイントは、「親が楽しそうにやっている」です。義務感からやっていたり、仕方なしにやっていたりすると、それは表情や態度、言葉に出ていきます。子どもはそれを敏感に感じ取ります。ですから、大人自身が目標や夢を持ち、それに向かって行動していることが子どもに対しての何よりの教育になります。
目標は些細なことでもいいのです。例えば、今日のやるべきことを紙に書いたり、ホワイトボードに書きます。そして、それを達成したら消す。子どもが見えない親の手帳でやるのではなく、子どもが見えるところで実験的にやってみてください。すると子どもが行動変容します。
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