長期休暇の度に「家族危機」が起こる根本原因 あなたの「家族サービス」が裏目に出ている

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いずれにしても、日頃できない家族サービスを一気に解消しようと頑張りすぎるのは、厳禁です。負担がかかりすぎればゆとりがなくなり、楽しくないどころか、疲れるだけですから。そしてそれは、自分だけでなく家族に伝わり、結果的に全員が疲れ、嫌な雰囲気を残しかねません。

そして、おカネをかけずに楽しむ方法を考えるのも良いでしょう。長期休暇となると出先での外食や宿泊代、レジャー代として多くの出費がかさみますが、そのことが原因でケンカになることも少なくないのです。いくらおカネをかけたかよりも、どんなふうに何をしたかでいい時間を過ごせたかが決まってきます。

反対に、いつも長期休暇はどこにも出かけずに、家の中で休日を過ごしているという人は、思い切って遠くに足を延ばしてみることもいいかもしれません。ほとんど遠出をしないという人には、映画を観に行ったり、ちょっとした日帰り旅行に出かけてみるだけでも、大きな気分転換となるはずです。

また、何もかも家族と一緒の共依存状態は、相手と自分との距離感がわからなくなり不満も溜まりやすくなります。すると、相手を支配したり、傷つけたりしてしまうのです。

外に「居場所」がないから、家族を攻撃してしまう

それを避けるためにも、長期休暇中の一部を、あえてそれぞれが違う場所に出かけたり、別々の時間を過ごしたりするのもよいでしょう。旅行先で短時間の自由行動をしてみるのもいいかもしれません。お互いが楽しい時間を過ごせたら、そのことを後に共有すると楽しいですよね。

そして、家族やパートナーと共に過ごす時間を快適にするには、個人の時間の充実が何よりも大切です。職場、学校、地域、コミュニティなど、自分が属するそれぞれの場所に「居場所」があることが必要なのです。

自分を主張できる場がないと、その思いが、攻撃という形で家族に向いてしまうことがあります。どこかで精神のバランスを取ろうとするのですが、その矛先が大切な家族に向くことは避けたいですよね。

日常生活の中で、感じている不満も小出しに解決していくようにしましょう。いつも忙しいと理由で目を背け、時間のある時に話そうと先送りにしていませんか。「たまった問題も長期休暇にまとめて解決!」というわけには、なかなかいかないのです。

いままでの自分の長期休暇のあり方を振り返ってみて、ストレスと感じていることがあれば、思い切ってその過ごし方を変えてみてはいかがでしょうか。あなたにとって今年のシルバーウィークがほんとうに有意義で輝いたものとなり、エネルギーチャージができますように!

大野 萌子 日本メンタルアップ支援機構 代表理事

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おおの もえこ / Moeko Ohno

法政大学卒。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ資格認定機関)代表理事、産業カウンセラー、2級キャリアコンサルティング技能士。企業内健康管理室カウンセラーとしての長年の現場経験を生かした、人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメントなどの分野を得意とする。現在は防衛省、文部科学省などの官公庁をはじめ、大手企業、大学、医療機関などで年間120件以上の講演・研修を行い、机上の空論ではない「生きたメンタルヘルス対策」を提供している。著書に『よけいなひと言を好かれるセリフに変える言いかえ図鑑』(サンマーク出版)がある。

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