工房職人の技「金子眼鏡」高級ブランド化への軌跡 低価格チェーン隆盛の中で"逸品"を訴求

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1980年前後のメンズ雑誌をひもとくと白山眼鏡店の存在感が目立つ。メガネ好きには昔から知られた同店だが、金子真也社長はこんな因縁を明かす。

「実は当社(JEH)のもうひとつの代表ブランド『フォーナインズ』(999.9)の創業者・三瓶哲男は、白山眼鏡店に勤務して手腕を発揮しました。その後、仲間と一緒にフォーナインズを立ち上げたのですが、その世界観には白山を感じさせるような一面もあります」(同)

フォーナインズは2021年にJEHの傘下に入ったが、金子眼鏡とは別の路線でハイブランド訴求をしている。

低価格チェーンが台頭する中で

1990年代以降のメガネ業界は、安価な中国製品が大量に流入し、低価格で訴求するチェーン店が存在感を高めていった。例えば「JINS」ブランドを展開するジンズホールディングスは、2001年にメガネ業界に参入後、成長を続けている。

技術を持った職人が廃業する時代だったが、金子眼鏡は会社を訪ねてきた職人・山本泰八郎氏の腕を見込み、「泰八郎謹製」(セルロイド製)を発表。その後、「井戸多美男作」など“職人シリーズ”のメガネを展開している。一連の取り組みでブランドに骨太さも加わった。

金子眼鏡
金子眼鏡
職人シリーズ。上は「泰八郎謹製」、下が「井戸多美男作」(撮影:佐々木仁)
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