工房職人の技「金子眼鏡」高級ブランド化への軌跡 低価格チェーン隆盛の中で"逸品"を訴求

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金子眼鏡
「ISSEY MIYAKE EYES」のメガネも取り扱っている(撮影:佐々木仁)

メガネは、もともとの視力矯正用器具に自分らしさを演出するファッション要素が加わり、複数を所有する人も多い。価格帯も幅広く、日本のメガネ装着人口は約7600万人(総人口の約6割)といわれる。

「JINS」や「Zoff」など低価格チェーンが目立つ市場でファンを広げているのが「金子眼鏡」(かねこがんきょう)だ。レンズ+フレームの一式で平均価格帯は「7万6017円」(2025年1月期の上期累計実績)。例えば一式「7000円」(+税)の競合商品と比べれば10倍以上する。

運営会社は2023年11月に株式上場を果たしたJapan Eyewear Holdings(以下JEH)で、「金子眼鏡」以外に「フォーナインズ」なども保有する。

今やドラマや映画で人気俳優が着用するブランドとしても知られるようになったが、66年前の創業時は福井県鯖江市の小さな眼鏡卸問屋からのスタートだった。

【写真】高い技術を持つ職人のこだわりが詰まった職人シリーズや、洗練された雰囲気が漂う店舗内観など(8枚)

コロナ前から売り上げは1.5倍に

なぜハイブランドに変貌を遂げ、国内のみならず海外客からも支持されるようになったのか、2代目の金子真也社長に聞いた。

「金子眼鏡はさまざまな商品を展開していますが、最初に注目されたのは鼻パッドのない“一山”(いちやま)仕様でした。現在はエイジレス・ジェンダーレスに幅広いお客さまにご購入いただいており、30~60代の上質な大人の顧客層が中心です。

金子眼鏡ブランドとしての売り上げは2019年8月期が54億4300万円でしたが、2024年1月期は85億1100万円となり、コロナ前に比べて156.4%となっています」(金子真也社長)

金子眼鏡
鼻パッドのない一山シリーズが飛躍のきっかけとなった(撮影:佐々木仁)
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