AWDの「あの部品」がスバルらしさの要因だった ハイブリッドでも「スバルの味」守られたワケ

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そして、3車目はスバル自社開発のBEVで、BEV専用ラインで生産するべく準備を進めていると説明された。そうした中で、「プロペラシャフトがないこと」に対するエンジニアの意識変革が、必須となっている。

トヨタ「bZ4X」の姉妹車となるソルテラの開発で、スバルのエンジニアは「スバルらしい走り味・乗り味とは何か」という大きな課題にぶち当たった。

BEVも、低重心である点では、「水平対向+シンメトリカルAWD」と物理現象として近いものがあるかもしれないが、「プロペラシャフトがないこと」が大きな課題だったのだ。

スズキに「これからのジムニー」を聞くと

同じような電動化に対する悩みを、他のメーカー関係者からも最近、聞いた。それは「ジムニー」についてだ。

スズキの次世代技術説明会で、48Vマイルドハイブリッド用の試作エンジンが初公開された。

その際、パワートレインの統括者に「これからのジムニーはどうなるのか」と聞いたとこと、「従来のようなプロベラシャフトを持つFRベース、(48Vマイルド)ハイブリッドを採用するFFベース+後輪モーターとの組み合わせなど、さまざまな可能性をいま、社内で協議している」と、ジムニーファンが聞けばあっと驚くような返答を得た。

昨年、インドで発表された5ドアボディのジムニー(写真:スズキ)
昨年、インドで発表された5ドアボディのジムニー(写真:スズキ)

スバルはもとより、ジムニーのような本格オフロード車であっても、プロベラシャフトがない設計が問われる時代となったのだ。

クロストレックでは、従来のe-BOXERと次世代ストリングスハイブリッドが併売されることで、プロペラシャフトの活躍の場は広がる。

自動車産業界の大きな変革期において誕生した、スバルの次世代ストロングハイブリッド。カーボンニュートラル燃料の採用などによって、息の長いパワーユニットになることを期待したい。

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桃田 健史 ジャーナリスト

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ももた けんじ / Kenji Momota

桐蔭学園中学校・高等学校、東海大学工学部動力機械工学科卒業。
専門は世界自動車産業。その周辺分野として、エネルギー、IT、高齢化問題等をカバー。日米を拠点に各国で取材活動を続ける。一般誌、技術専門誌、各種自動車関連媒体等への執筆。インディカー、NASCAR等、レーシングドライバーとしての経歴を活かし、テレビのレース番組の解説担当。海外モーターショーなどテレビ解説。近年の取材対象は、先進国から新興国へのパラファイムシフト、EV等の車両電動化、そして情報通信のテレマティクス。

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