これで「スバル本来の4輪駆動(AWD」が生き残れる――。
標高約1500mという高地に設営されたコースで、スバルの最新技術を体験しながら、そう確信した。予想を超える出来栄えだったからだ
試乗したのは、年内に発売が予定されている「クロストレック」の次世代ハイブリッド搭載車である。
従来の「e-BOXER」は、エンジンをモーターで補助する機能のみを持つマイルドハイブリッド(機能的にはパラレルハイブリッド)を採用していたが、この次世代ハイブリッドは、モーターのみでの走行も可能なストロングハイブリッド(シリーズパラレルハイブリッド)となった。
まずはクロストレックで採用し、2025年度に発売するという国内向け次期「フォレスター」でもラインナップするという。
電動車にありがちな「不自然さ」はない
試乗コースは、勾配のきつい細い舗装路の上りと下り、芝生を基調としたダート、そして広い舗装路での急加速という、大きく3つのシチュエーション。それぞれのコースで「なるほど、しっかりとスバルらしい」と実感できる走り味と乗り味が感じられた。
e-BOXERと比べると、車重は50kg増。モーターとジェネレーターを分離したうえで、電池容量をアップ、さらにエンジンの排気量が2.0リッターから2.5リッターになったことが、重量増の要因だ。また、燃料タンク容量も増やされている。
しかし、モーター出力の大幅拡大(10kWから88kW)、回生ブレーキ作動の最適化、リアショックアブソーバー、ブッシュ類などの改良などによって、ドライバーの操作に対するクルマの動きの「重ったるさ」はまったく感じない。
それよりも、スバルがいう“動的質感”が上がり、動きの先読みがしやすく、運転が楽しく疲れが少ない印象を得た。ハイブリッド車にありがちな、不自然なフィーリングはない。
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